リスティング広告とは?メリットや始め方、成功のポイントまで簡単に解説
この記事でわかること
- リスティング広告の基礎知識
- リスティング広告の設定方法
- リスティング広告とディスプレイ広告の違い
- リスティング広告の運用事例
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
BtoCビジネスでの活用はもちろん、BtoBマーケティングにおけるリードジェネレーションチャネルとしても活用されることが多いリスティング広告。
- リスティング広告とは何か知りたい
- リスティング広告の始め方や成功のポイントを知りたい
- リスティング広告の運用事例を押さえたい
この記事は上記のような思いをお持ちの方に向けて、リスティング広告の概要や運用が適しているケースなどを踏まえつつ、メリットや始め方を分かりやすく解説します。
成功のポイントや事例も併せてご紹介していますので、ぜひ最後までご確認ください。
参照:BtoBマーケティングとは?戦略の立て方やそのプロセス、成功事例までプロが解説
目次
1.リスティング広告の概要
まずはリスティング広告の概要やディスプレイ広告との違い、活用に向いているケースなどについて、確認しましょう。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページに表示されるテキスト形式のWeb広告です。
上記は「Webサイト制作」とGoogle検索を実施した際に表示される画面であり、画像内の赤枠で囲っている箇所がリスティング広告に該当します。
GoogleやYahoo!は勿論、bingなどの検索エンジンの検索結果に広告を掲載することが可能です。
リスティング広告を出稿する際は、Google広告あるいはYahoo!広告、Microsoft広告を活用することになるでしょう。
参照:Google広告とは?費用形態やメリット、始め方までわかりやすく解説
リスティング広告とSEOの違い
リスティング広告は検索結果の上部に表示されるため、SEOと混同されるケースがありますが、両者には大きな違いがあります。
SEOはWebサイトやコンテンツにキーワードを組み込んだり、サイト構造を最適化したりすることで、検索結果で上位表示を目指す取り組みです。
企業側で完全にコントロールすることはできず、最終的には検索エンジン側のアルゴリズムに基づいた評価によって表示順位が決められます。
対してリスティング広告は特定キーワードに対して入札を行うことで、検索結果に表示させる広告です。
費用をかけることによって、ある程度表示されるかどうかをコントロールできるため、SEOよりも即効性があると言えます。
リスティング広告とディスプレイ広告の違い
同じく代表的なWeb広告であるディスプレイ広告との違いについても、併せて確認しておきましょう。
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリの広告枠に出稿する広告であり、テキストだけでなく画像や動画といった素材も利用できます。
テキストのみの訴求となるリスティング広告とは、表示形式や掲載媒体が異なるのです。
ディスプレイ広告もGoogleやYahoo!の広告サービスを利用して出稿できるため、リスティング広告と併用することで、幅広い顧客層にリーチできるでしょう。
参照:ディスプレイ広告とは?仕組みやメリット、運用のポイントを分かりやすく解説
リスティング広告が向いているケースと向いていないケース
ここでリスティング広告の活用が向いているケースと、そうでないケースについてご紹介します。
リスティング広告が向いているケース
リスティング広告は、ニーズが顕在化している見込み顧客がターゲットである場合に適したWeb広告です。
見込み顧客は「○○を知りたい・○○が欲しい」といった何かしらのニーズを満たすために、検索行為を行います。
こういったニーズが明確になっている顧客に対してアプローチしやすいのです。
化粧品などの定期購入することが前提の商材や、リピート率が高い商材を扱っている場合も定期的にニーズが顕在化するため、リスティング広告運用に適していると言えるでしょう。
リスティング広告が向いていないケース
逆にリスティング広告が向いていないケースとして3点ご紹介します。
1つ目は潜在顧客をターゲットとした場合が挙げられます。
ニーズが明確になっていない顧客は検索行動を取りにくいため、そもそもリスティング広告でリーチできないのです。
2つ目は商材のカテゴリ及び関連するキーワードの検索ボリュームが少ないケースが挙げられます。例えば、CRMシステムを提供している場合「CRM」というキーワードや、「CRM」に関連するキーワードの検索ボリュームは一定数ありますが、工業機械稼働管理システムを提供している場合「工業機械稼働管理」というカテゴリの検索ボリュームは少ないため、リスティング広告を出稿しても望んだ効果が期待できない可能性があります。
こういった検索ボリュームが少ない商材については、ディスプレイ広告やMetaをはじめ、SNS広告など検索以外の広告媒体の方が成果が期待できる場合があります。
3つ目はリスティング広告はテキストのみで訴求するという特性上、デザインが大きな役割を担っている製品など、テキストだけで価値を表現しきれない商材を扱っている場合は適しません。
リスティング広告と関連して押さえておきたい用語
概要の最後に、リスティング広告と関連して押さえておきたい用語についてご紹介します。
この記事を読み進めていく上で登場する用語もあるので押さえておきましょう。
用語 | 説明 |
---|---|
インプレッション | 広告の表示回数を表す指標 |
クリック数 | 広告がクリックされた数を示す指標 |
クリック率 | 広告のクリック数を表示回数で割った指標 |
コンバージョン数 | 問い合わせや購買など、リスティング広告のコンバージョンとして設定したアクションが生じた数 |
コンバージョン率 | 広告のコンバージョン数をクリック数で割った指標 |
CPA(Cost Per Acquisition) | コンバージョン1件獲得するためにかかった広告費用※コンバージョン単価 |
ROAS(Return on Advertising Spend) | 広告の費用対効果を表し、広告によって達成した売上を、広告費用で割って算出する指標 |
検索クエリ | 検索エンジンを利用するユーザーが、検索を行う際に実際に使った単語や単語の組み合わせのこと |
リターゲティング/リマーケティング | Webサイトに訪れたことがあるユーザーに対して広告を表示する手法 |
参照:リターゲティングとは?仕組みや種類、運用の手順まで分かりやすく解説
2.リスティング広告のメリットとデメリット
続いてリスティング広告のメリットとデメリットについて確認しましょう。
リスティング広告のメリット
リスティング広告の活用メリットとしては、以下のような点が挙げられます。
メリット①:ニーズが顕在化したユーザーにアプローチできる
一つ目に挙げられるメリットは、ニーズが顕在化したユーザーにアプローチできるという点です。
リスティング広告は、特定キーワードによる検索結果ページに表示できるため、検索行動を行うほどニーズが顕在化したユーザーに対してアプローチできます。
そのため、自社製品・サービスに関連した検索キーワードに広告を出稿することで、短期間で購買や問い合わせなどの成果を挙げることが可能なのです。
メリット②:上位コンテンツよりも上部に表示できる
次にメリットとして挙げられるのは、SEOによる上位コンテンツよりも上部に表示できるという点です。
上記の画像にあるように、リスティング広告はSEOによって上位表示されているコンテンツよりも上部に表示されます。
そのため見込み顧客に認知される可能性が高く、クリックなどの行動も比較的促しやすいという特徴があると言えるでしょう。
メリット③:低予算からでも始められる
続いて挙げられるのは、低予算からでも始められるという点です。
リスティング広告は掲載費用が固定されておらず、予算を柔軟に調整できるという特徴があります。
そのため月に数万円といった低予算からでも始めることができ、費用対効果などを確かめながら運用できるのです。
またクリック課金方式を取っているため、クリックされない限り費用が発生しない点も見逃せません。
メリット④:リアルタイムで効果検証・改善ができる
リアルタイムで効果検証や改善ができるという点も、メリットとして挙げられます。
リスティング広告を運用できるGoogle広告やYahoo!広告には、リアルタイムでインプレッションやクリック数といった指標を把握できる機能が搭載されています。
そのため運用しながら常時効果をモニタリングし、状況に応じてスピーディに修正を行うことができます。
効果検証と改善を細かく実施することで、ROASを最大化させることができるでしょう。
メリット⑤:即効性が高い
メリットの最後にご紹介するのは、即効性が高いという点です。
リスティング広告は最短で即日掲載ができます。
そのため広告を出稿したその日から、認知や広告流入といった効果を得ることが可能です。
効果が出るまで時間がかかるSEOと比べ即効性が高く、短期間での顧客獲得などを狙う場合は主力となるWeb広告と言えるでしょう。
リスティング広告のデメリット
リスティング広告のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
デメリット①:効果的な運用にはノウハウが必要
デメリットの一つ目に挙げられるのは、効果的な運用にはノウハウが必要になるという点です。
リスティング広告は手軽に始められる一方で、効果的に運用するにはWeb広告に関する専門的なノウハウは勿論、コピーライティングなどの知識が求められます。
もしこれらのノウハウが社内に不足している場合は、リスティング広告を始めても効果を得ることが難しいケースがあるでしょう。
デメリット②:継続的な運用コストが必要
デメリットの次に挙げられるのは、継続的な運用コストが必要という点です。
リスティング広告を出稿しても、想定していた効果が得られないことは往々にして起こり得ます。
リスティング広告で確実に成果を出していくには、日々の効果検証や細かな改善といった継続的な取り組みが求められるのです。
その分の時間や人的工数、人件費などの費用が必要になる点は留意してください。
デメリット③:潜在層へのアプローチには適さない
潜在層へのアプローチには適さないという点も、デメリットとして挙げられるでしょう。
リスティング広告は検索結果ページに表示させる広告であるため、検索行動を行わない潜在顧客に対するアプローチには適さないのです。
潜在層向けのアプローチを実施したい場合は、リスティング広告でなく、ディスプレイ広告やSNS広告を運用するべきと言えます。
デメリット④:視覚的要素での訴求はできない
続いてデメリットとして挙げられるのは、視覚的な要素での訴求ができないという点です。
リスティング広告の構成要素はテキストのみであるため、ディスプレイ広告のように画像や動画を活用できません。
そのため、画像がなければ魅力が伝わらないアクセサリーやファッション系の商材などにおいては、リスティング広告は活用しにくいと言えるでしょう。
デメリット⑤:キーワードによっては費用が高くなる
デメリットの最後に挙げられるのは、キーワードによっては費用が高くなるという点です。
リスティング広告は低予算からでも運用自体は可能ですが、広告表示を狙うキーワードによっては費用が高くなる可能性があります。
競合が多いキーワードなどは特にその傾向が顕著であるため、実際に取り組む際はある程度の予算が必要となるケースも多いでしょう。
3.リスティング広告の仕組みと運用方法
次にリスティング広告の仕組みと運用方法について確認します。
リスティング広告の仕組み
まずはリスティング広告の掲載順位が決まる仕組みや課金方式などをご紹介します。
リスティング広告の掲載順位が決まる仕組み
リスティング広告は検索結果ページの上部と下部に掲載されます。
この掲載枠の内、どの位置で掲載されるかは広告ランクで決まるのです。
広告ランクは大きく以下の6つの要素で構成されています。
- 入札単価
- 広告とランディングページの品質
- 広告ランクの下限値
- オークションにおける競争力
- ユーザーが検索に至った背景
- 広告アセットやその他の広告フォーマットの効果
これらが総合的に評価されたものが広告ランクであり、広告ランクが高ければ高いほど、上位の広告枠が割り当てられる仕組みなのです。
リスティング広告における課金方式
リスティング広告はクリック課金方式を取っています。
クリック課金方式とは、広告がクリックされる際に費用が生じる方式です。
広告がいくら表示されても、クリックされない限りは費用が発生することはありません。
そのためクリックやコンバージョンが仮に得られなくても、広告表示による認知獲得効果は無料で得られると言えるでしょう。
また以下のようにキーワードによって入札単価が異なります。
これらのキーワードの入札単価にクリック数をかけた金額が、実際にかかる費用となるのです。
リスティング広告の運用方法
次にリスティング広告の運用方法として、予算の決め方や運用パターンについて確認しておきましょう。
リスティング広告における予算の決め方
リスティング広告運用における予算の決め方としては、大きく2つの方式があります。
①目標コンバージョン数とCPAで計算する方式
目標コンバージョン数とCPAを掛け合わせた金額を予算として設定します。
手軽に予算を算出できますが、あくまで概算値となるため、実際に運用を始めた際に細かなずれなどが生じる可能性がある点は注意してください。
②クリック単価とクリック数から算出する方式
配信したいキーワードの入札単価に、獲得したいクリック数を掛けて計算します。
実態に即した指標で算出できるという利点があるものの、CPAを要素に含めていないため、CPAが想定以上に高くなってしまう可能性があるでしょう。
実際には様々な要素を含めて細かく予算を設定することになりますが、基本的には上記の2つの方式をベースとして考えていくことになります。
リスティング広告の運用パターン
リスティング広告の運用パターンとしては、広告代理店への外注と自社運用の2つのパターンが挙げられます。
それぞれメリットとデメリットがありますので、以下の表を参照していただき、どちらが自社に適しているかをご検討ください。
リスティング広告運用パターン | メリット | デメリット |
---|---|---|
広告代理店への外注 | ・専門的なノウハウに基づいて運用してもらえるため、効果が出やすい ・運用工数を最小化できるため、より重要な業務にリソースを集中できる | ・広告費用以外に外注するための費用がかかる ・社内に広告運用ノウハウが蓄積されない |
自社運用 | ・広告費用だけしか発生せず、費用を最低限に抑えられる ・柔軟に内容を調整できる ・広告運用ノウハウが社内に蓄積される | ・運用の工数がかかる ・ノウハウが不足している場合、効果が出にくい |
4.リスティング広告の始め方
ここからはリスティング広告の始め方について、Google広告を前提として解説していきます。
ステップ①:アカウント開設
Google広告でリスティング広告を始めるには、まずGoogleアカウントとGoogle広告アカウントを開設する必要があります。
Googleアカウントの開設
Googleアカウントは、Googleのトップページから作成可能です。
トップページ右上にある「ログイン」をクリックすると以下の画面に遷移します。
こちらの画面が表示されたら、「アカウントを作成」をクリックし、案内に従って入力を進めていけばGoogleアカウントを作成できるでしょう。
Google広告アカウントの開設
Google広告アカウントにはエキスパートモードとスマートモードという2つの種類がありますが、今回は初級者向けのアカウントであるスマートモードを前提に解説します。
Google広告公式サイトにアクセスし、右上にある「ログイン」をクリックしましょう。
参照:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/
ログインをクリックした後、スマートモードの場合はGoogleアカウントの情報を入力し、そのままキャンペーンを作成していくことになります。
ステップ②:キャンペーンの作成
目標とキャンペーンタイプの選択
はじめにキャンペーン目標を選択する画面が表示されるため、そこからリスティング広告の目標を選びましょう。
上記画像にあるように様々な目標から該当するものを選び、右下の「続行」をクリックすると、キャンペーンタイプを選択する画面に遷移します。
上記のうち「検索」がリスティング広告に該当するため、間違えないように選択しましょう。
次に以下の画面が表示されるため、目標達成の方法とキャンペーン名を入力します。
今回は「ウェブサイトのトラフィック」を目標としているため、目標達成方法の欄はWebサイトリンクを入力する形になっています。
他の目標を選択した場合は、目標に応じた方法を選択できます。
必要項目を入力した後は、右下にある「続行」をクリックしましょう。
単価設定
次に単価設定に入ります。
単価設定において重視している要素を設定した上で、単価上限を任意で設定することが可能です。
デフォルトでは重視している要素として「コンバージョン」が設定されていますが、クリック数などを設定することも可能です。
目標コンバージョン単価を設定した場合、設定した金額の範囲内で効果を最大化させるように、入札単価などが設定されます。
それぞれ入力を終えた後は「次へ」をクリックしましょう。
キャンペーン設定
ここからはキャンペーン設定に入ります。
まずは以下の画面が表示されるため、利用するネットワークや広告配信対象とする地域、ターゲットセグメントなどを設定していきましょう。
オーディエンスセグメントでは、細かなターゲット設定ができるため、あらかじめ設定しているターゲット像に当てはまる要素を選び、広告の精度を高めるようにしましょう。
各項目の設定を終えた後は、画面下部の「次へ」をクリックします。
キーワード設定と広告作成
続いてリスティング広告における対策キーワードと広告テキストの作成を行います。
上記の画面上でキーワードを設定できます。
赤枠内で囲っている箇所にアピールしたい製品・サービスの紹介ページのURLや、製品・サービスのカテゴリを入力すれば、最適なキーワード候補を提案してくれるので上手く活用しましょう。
続いて同じ画面の下部に移動し、見出しなどの広告テキストを入力していきます。
必須と記載のある項目を全て入力し、画面下部にある「完了」をクリックして、広告設定を保存しましょう。
入力した内容を確認し、画面右下にある「次へ」をクリックすると、広告内容の設定が完了します。
予算設定
キャンペーン設定の最後に予算設定を行います。
あらかじめ検討しておいた予算を基に平均予算を設定した上で、「次へ」をクリックすると最終確認画面が表示されます。
内容に問題なければ、支払情報の入力へと進みましょう。
ステップ③:支払情報の入力
最後に支払情報の入力へと入ります。
表示画面の案内に従って、請求先住所や支払いプロファイル、クレジットカード番号などの入力を行いましょう。
入力内容を確認の上、「送信」をクリックすると、Google広告アカウントが開設され、リスティング広告の運用が開始されるのです。
リスティング広告を始める際の注意点
手順をご確認いただいたところで、注意点も押さえておきましょう。
注意点①:Google広告ポリシーを確認して審査落ちを防ぐ
Google広告を運用するにはGoogle側の審査に通過する必要があります。
そのため、審査基準になっているGoogle広告ポリシーは、リスティング広告を始める前にしっかりと確認しておきましょう。
Google広告ポリシーの具体的な内容についてはこちらのページよりご確認ください。
注意点②:商標権侵害に注意する
リスティング広告ではキーワードを設定することになりますが、そのキーワードに他社が商標登録している言葉を含めてしまうと、商標権侵害に繋がります。
法的なリスクがあるだけでなく、顧客からの信頼低下にも繋がりかねませんので、意図せず商標権侵害にならないように注意しましょう。
5.リスティング広告運用を成功させるための9つのポイント
続いてリスティング広告運用を成功させるためのポイントをご紹介します。
ポイント①:ターゲットを明確にする
一つ目のポイントは、ターゲットを明確にするという点です。
リスティング広告でアプローチしたい顧客をあらかじめ明確にした上で、そのターゲット顧客の抱えているニーズや悩みなどを分析していきましょう。
ターゲットの明確化にあたっては、基本的なプロフィールに加え、価値観や購買動機、趣味や嗜好といった要素を含めたペルソナを設定することをおすすめします。
ペルソナと併せて、見込み顧客の抱えるニーズや行動などを購買プロセスごとに整理したカスタマージャーニーを作成することで、ニーズをより深く分析できるでしょう。
ペルソナやカスタマージャーニーの作成を通じて、ターゲット顧客への理解を深めることで対策すべきキーワードや広告テキストなどを最適化できます。
参照:現場でも混同しがちなセグメンテーションとターゲティングの違いとは?
参照:【DLできるテンプレート公開】ペルソナとは?作り方の5つのステップや具体的な活用方法を解説
ポイント②:目標とKPIを明確にする
続いてのポイントは目標とKPIを明確にするという点です。
リスティング広告を運用する上で達成したい目標を、あらかじめ明確にしておきましょう。
Webサイトへの流入なのか、それとも問い合わせや購買を目指すのか、目的によって
対策すべきキーワードや内容も異なるためです。
また目標と併せて、達成状況を把握するためにKPI(重要業績評価指標)を設定します。
先にご紹介したインプレッションやクリック数などの指標を活用し、適切なKPIを設定することで、効果検証や改善の精度を高めることができるでしょう。
参照:BtoBマーケティングのKPI設計についてプロが徹底解説
ポイント③:競合性の低いキーワードから優先して実施する
競合性の低いキーワードから優先して実施するという点も、ポイントとして挙げられます。
検索ボリューム(一月当たりの検索件数)が多いキーワードは勿論、購買に繋がりやすいキーワードは競合性が高く、キーワードの入札単価も高騰しやすい傾向にあります。
そのため自社製品・サービスと関連しつつ、競合性の低いキーワードを見つけられるかが、重要なポイントになるのです。
Google広告に搭載されているキーワードプランナーを活用し、競合性の低いキーワードを見つけることができれば、費用対効果の高いリスティング広告運用を実現できるでしょう。
ポイント④:競合のリスティング広告を分析する
次に挙げられるポイントは、競合のリスティング広告を分析するという点です。
対策したいキーワード候補が挙がってきたタイミングで、そのキーワードにおいて競合がどういったテキストで広告を出稿しているのかなどを分析しましょう。
これらのテキストを参考にすることで、より効果的な広告テキスト作りに繋げることが可能です。
他にも、どのようなキーワードに競合が広告を出稿しているかを確認することで、競合の戦略や顧客ニーズも推察できるため、ぜひ取り組みましょう。
ポイント⑤:広告文にこだわる
続いて挙げられるのは広告文にこだわるという点です。
リスティング広告はディスプレイ広告などとは異なり、テキストのみで訴求することになります。
つまり見出しや説明文などの広告文の巧拙が、クリック率やコンバージョンに直結するのです。
そのため、コピーライティングのノウハウを押さえつつ、どういった言葉や文章を記載すれば、クリックを促せるかを徹底的に考えていく必要があります。
ポイント⑥:効果検証と改善のPDCAサイクルを回す
効果検証と改善のPDCAサイクルを回すという点も、重要なポイントとして挙げられます。
リスティング広告の運用を始めても、想定していたような効果が得られないといったことは往々にして起こり得ます。
そのためリスティング広告を運用する際は、効果を定期的にモニタリングしながら、改善していく必要があるのです。
キーワードの見直しは勿論、特定の用語で広告が表示されないように除外設定を行ったり、テキストを修正したりすることになるでしょう。
このように効果検証と改善のPDCAサイクルを継続的に回すことで、はじめてリスティング広告の効果を高めていくことができるのです。
ポイント⑦:スプリットランテスト(ABテスト)を行う
スプリットランテスト(ABテスト)を行うという点も、重要なポイントになるでしょう。
スプリットランテストとは、広告の見出しやテキストといった要素の一部を変えた広告を複数用意し、同時に配信することで、効果の違いを比較するテスト手法です。
リスティング広告運用においてもスプリットランテストを活用することで、効率的に精度の高い見出しやテキストへ改善していくことができます。
広告の内容だけでなく、LP(ランディングページ:広告をクリックした際に表示されるWebページ)なども変更要素に加えることで、より効果的な検証と改善に繋げられるでしょう。
ポイント⑧:LPと整合性を持たせる
次にご紹介するのは、LPと整合性を持たせるという点です。
リスティング広告で訴求している内容とLPで記載している内容にズレがある場合、顧客から不信感を抱かれ、問い合わせなどのコンバージョンに繋がる確率は低下してしまうでしょう。
そのためリスティング広告とLPの内容には、一貫性や整合性を持たせることが重要になるのです。
LPは購買や問い合わせを喚起する上で重要な役割を果たすWebページであるため、リスティング広告の内容だけでなく、LPの内容にも気を配り、最適化させていきましょう。
ポイント⑨:広告代理店を活用する
ポイントの最後にご紹介するのは、広告代理店を活用するという点です。
自社にWeb広告運用のノウハウが十分にない状態で、リスティング広告に取り組んでも、成果を挙げることは難しいと言えます。
その点広告代理店を活用することで、専門的な知見やノウハウを基に運用してもらえるため、着実に効果を挙げていくことができるのです。
委託費用などのコストはかかりますが、そのコストに見合った成果を得られる可能性は高いので、ぜひご検討ください。
6.リスティング広告の運用事例
最後にリスティング広告の運用事例をご紹介します。
北海道アクセスネットワーク株式会社の事例
一つ目にご紹介するのは、北海道内のバスツアーを企画・運営する北海道アクセスネットワーク株式会社の事例です。
北海道アクセスネットワークは、旅行関連サイトにディスプレイ広告を出稿していたものの、結局競合他社との価格競争に陥るケースが多く、広告の費用対効果の低さに課題を抱えていました。
そこでGoogle広告におけるリスティング広告運用を開始したのです。
サポート窓口を上手く活用しながら、効果検証と細かな修正作業を継続したことで、広告クリック率の約30%向上、コンバージョン率が約4倍に上昇するといった成果を得られました。
参照:検索広告でコンバージョン率約 4 倍を実現した北海道アクセスネットワーク|Google広告
株式会社オープンハウスの事例
次に挙げられるのは、戸建て住宅の開発や不動産販売などの事業を展開する株式会社オープンハウスの事例です。
オープンハウスでは、住宅購入を検討する見込み顧客を獲得するために、会員サイトを運用しています。
この会員サイトへの登録者を増やすことを目標に、Yahoo!広告における検索広告を活用したのです。
対象とするキーワードについて部分一致を活用しつつ、対象外のキーワードをしっかりと除外することで、コンバージョン数の30%増加といった成果を挙げました。
参照:マッチタイプ変更エリアで、CV数30%増加、ユニーククエリー数56%増加|LINEヤフー for Business
7.まとめ
今回はリスティング広告をテーマに、概要やメリット、始め方やポイントなどをまとめて解説してきました。
リスティング広告は、SEOなどよりも即効性が高く、比較的短期間で見込み顧客の獲得に繋げられる優秀な広告です。低予算からでも運用できる上、効果検証などもリアルタイムで実施できるため、費用対効果の高い広告運用を実現しやすいと言えます。
ただし、効果的な運用を行うには相応のノウハウも必要になるので、状況に応じて広告代理店などの活用も検討してみてください。
マーケティング活動についてお困り事ございましたら、こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。