Account Engagement(旧 Pardot)でのCookie対応!ファーストパーティートラッキングとサードパーティトラッキングについて徹底解説

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Account Engagement(旧 Pardot)でのCookie対応!ファーストパーティートラッキングとサードパーティトラッキングについて徹底解説

この記事でわかること

  • ファーストパーティクッキーとサードパーティクッキーの特徴と違い
  • Account Engagement(旧 Pardot)におけるCookieベーストラッキングの方法
  • ファーストパーティトラッキングとサードパーティトラッキングの設定方法

執筆者 杉山元紀

Account Engagement(以下、Pardot)にはWebサイト上のアクティビティをトラッキングする機能が備わっており、見込客のWebサイト上の行動データをもとに様々な施策や処理を行うことができます。

Webサイト上のアクティビティをトラッキングするにあたって重要な役割を果たす「Cookie(クッキー)」。Google社は段階的にサードパーティクッキーを利用したトラッキングを廃止する方向を打ち出しており、Pardotでのwebサイトアクティビティトラッキングにも影響を与えることになります。

本記事では、Cookieの基本情報からPardotにおけるCookieを利用したトラッキングの仕組みやその設定方法について解説いたします。実運用においても対応が必要な内容ですので是非本記事を参考に自社のトラッキング環境の構築・見直しにご活用ください。

まずはAccount Engagementについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
参考:Account Engagement(旧 Pardot)とは?機能や特徴、他のMAツールとの比較も含めて徹底解説

Account Engagement(旧 Pardot)におけるCookieの基本と重要性

まず、Cookieの基本概念やその種類、Pardotにおけるトラッキングに与える影響などについて解説いたします。

Cookieとはなにか

CookieとはWebサイトを閲覧した際に訪問者が訪れたサイトや入力データ、利用環境などの情報が記録されたファイル(仕組み)のことを指します。

WebサイトはCookieの内容を読み込み、その人に応じた内容の広告やwebページを表示させたりすることができます。また、訪問者側はCookieを受け入れることもブロックすることもできます。

訪問者にとってもCookieを受け入れると例えばショッピングサイトであれば、自身のこれまでのweb上の行動履歴に合わせて興味のありそうな商品がレコメンドされたり、気になる情報が表示されたりするので利便性が高まることに繋がります。

またCookieには「ファーストパーティクッキー」と「サードパーティクッキー」の2種類があり、ここが大きく今後のトラッキングに影響するので詳しく紹介します。

ファーストパーティークッキーとサードパーティクッキーの違い

ここからはファーストパーティクッキーとサードパーティクッキーの基本情報とそれらの違いを紹介します。

ファーストパーティークッキーとは

ファーストパーティクッキーとは、訪問先のWebサイトのドメインから直接発行されるクッキーのことを指します。訪問先のWebサイトが発行するクッキーのため、訪問したWebサイトのみでしか機能しません。

ファーストパーティクッキーの特徴としては、精度高く訪問したユーザーの行動がトラッキングできるという点があり、逆にデバイスやブラウザを横断する動きを取られると別のユーザーと認識されてしまうという点があります。

サードパーティクッキーとは

サードパーティクッキーは、訪問先のWebサイトとは異なるドメインから提供されるクッキーのことを指します。広告ネットワークや分析ツールなど外部サービスがサードパーティクッキーを使用します。

サードパーティクッキーの特徴としては、異なるWebサイト間でユーザーの行動をトラッキングし、広告のパーソナライズや効果測定などが行えることです。ただし、ユーザープライバシーが懸念されており、Google社やApple社はサードパーティクッキーを既に廃止または廃止の方向性を表明しています。

Account Engagement(旧 Pardot)におけるCookieベーストラッキングの現状と今後

前述の通り、サードパーティクッキーについてはApple社が提供するSafariでは既にデフォルトで完全にブロックしており、Google社についても2024年1月4日からChromeのユーザー1%に対して、サードパーティクッキーの利用を無効にするテストを開始しており、2024年後半にはサードパーティクッキーの廃止を予定されています。

こういった状況を受けてPardotではSpring’21のリリースにて、「ファーストパーティトラッキング」機能がリリースされており、現在はサードパーティトラッキングと併用できるようになっております。

しかし、今後は各社のサードパーティクッキーの廃止の流れを受けて、「ファーストパーティトラッキング」機能への切替を各社が求められるようになることが考えられます。

Account Engagement(旧 Pardot)でのファーストパーティートラッキングの設定方法

実際にPardotのファーストパーティトラッキングをどのように設定するのかを詳しく紹介します。

トラッカードメインの設定

まずはPardotでファーストパーティトラッキングを行うために、トラッキング対象となるドメインをトラッカードメインとして設定します。

複数の異なるドメインのWebサイトを運営していて、それぞれのWebサイトアクティビティをトラッキングする場合は、ドメインごとにトラッカードメインを設定しましょう。

トラッカードメインの設定方法については以下の記事にて詳しく解説していますので、合わせてご確認ください。

参考:Account Engagement(旧 Pardot)のトラッカードメインとは?設定方法と注意点を解説

アカウント設定からファーストパーティートラッキングの有効化

トラッカードメインを確認・設定できたら次はアカウント設定を行います。Account Engagementホーム画面>Account Engagement設定>アカウント>編集をクリックします。

「ファーストパーティトラッキング」という設定項目があるので、「ファーストパーティトラッキングを使用」というチェックボックスにチェックを入れます。

前述の通り現在はまだサードパーティトラッキングとの併用が可能ですので、こちらも利用する場合は「サードパーティクッキーをファーストパーティトラッキングと併用」「サードパーティトラッキングを使用」にもチェックをいれておきましょう。

トラッキングコードの発行

次はトラッキングコードを発行します。Account Engagementホーム画面>Account Engagement設定>ドメイン管理から画面下部の設定画面で、トラッカードメインを選択し「Override Default Campaign」を選択します。

トラッキングコードが表示されるのでコピーを行います。

トラッキングコードをWebページに設定

トラッカードメインから発行されたトラッキングコードを、トラッキング対象のWebページに設置します。

設定についてはWebサイト管理者と連携してGTMを利用して設定を行うか、直接Webページに設置しましょう。設定後、トラッキングが正常に動作しているか確認を行い設定は完了です。

参考:Googleタグマネージャー(GTM)とは?使い方や利用メリット、導入方法を徹底解説

Account Engagement(旧 Pardot)でのサードパーティートラッキングの設定方法

続いて、サードパーティトラッキングの設定方法を紹介します。

トラッキングコードの発行

ファーストパーティトラッキングの設定で説明した、アカウント設定にて「サードパーティクッキーをファーストパーティトラッキングと併用」「サードパーティトラッキングを使用」にチェックをいれている前提で、トラッキングコードの発行ステップから解説します。

Account Engagementホーム画面>Account Engagementキャンペーンからトラッキング対象のキャンペーンを選択します。

画面右上の「トラッキングコードを表示」をクリックするとトラッキングコードが表示されるので、コピーしておきましょう。

トラッキングコードをWebページに設定

トラッカードメインから発行されたトラッキングコードを、トラッキング対象のWebページに設置します。

設定についてはWebサイト管理者と連携してGTMを利用して設定を行うか、直接Webページに設置しましょう。設定後、トラッキングが正常に動作しているか確認を行い設定は完了です。

Account Engagement(旧 Pardot)でのファーストパーティートラッキングのポイント

ここからはファーストパーティトラッキングを行う際のポイントを紹介します。

ドメインごとにトラッキングコードを設定する必要がある

ファーストパーティトラッキングコードは設定したドメイン以外では使用できないため、ドメインの異なる複数のサイトでそれぞれトラッキングを行いたい場合は、ドメインごとにトラッカードメインの設定及びトラッキングコードの設定を行う必要があります。

ルートドメインが一致している場合のみトラッキングか可能

トラッカードメインのルートドメインと、トラッキング対象のWebサイトのルートドメインが一致している場合のみファーストパーティトラッキングによるトラッキングが可能になります。

ファーストパーティクッキーでのトラッキングが可能なケース

  • トラッカードメイン:go.strh.co.jp(ルートドメイン:strh.co.jp)
  • Webサイトのドメイン:strh.co.jp(ルートドメイン:strh.co.jp)

ファーストパーティクッキーでのトラッキングができないケース

  • トラッカードメイン:go.test.co.jp(ルートドメイン:test.co.jp)
  • Webサイトのドメイン:strh.co.jp(ルートドメイン:strh.co.jp)

まとめ

PardotでのWebサイトトラッキングを行うために、ファーストパーティトラッキングとサードパーティトラッキングがあり、それぞれの特徴や違い、設定方法を解説してきました。

サードパーティクッキーの廃止方針に伴ってPardotでもファーストパーティトラッキング機能が提供されております。こういった昨今のデータプライバシー保護に関する状況も踏まえて、今後はサードパーティクッキーを利用しないデータ活用をPardot活用及び、マーケティング活動全体としても企業は考える必要があります。

ストラではマーケティング戦略から実行支援まで一貫したコンサルティング支援や、Account Engagement(旧 Pardot)の設計導入はもちろん、なかなかPardot活用が進まない企業様に対しての活用コンサルティングを提供しております。マーケティング活動やAccount Engagement(旧 Pardot)の導入、活用支援にお困り事ございましたら、こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

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執筆者 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント

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