リターゲティングとは?仕組みや種類、運用の手順まで分かりやすく解説

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リターゲティングとは?仕組みや種類、運用の手順まで分かりやすく解説

この記事でわかること

  • リターゲティングの仕組みやその必要性
  • リターゲティングの種類
  • リターゲティングのメリット・デメリット
  • リターゲティングの運用手順
  • リターゲティングの効果を高めるポイントや注意点

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

Web広告運用を担当されている方の中には、リターゲティングという言葉を聞いたことがあるものの、正直よく分かっていないという方もいらっしゃるでしょう。

この記事では上記のような方に向けて、リターゲティングの仕組みや種類、活用のメリットなどを分かりやすく解説していきます。運用の手順や効果を高めるポイント、Cookie規制による影響なども併せてご紹介していますので、ぜひ最後までご確認ください。

1.リターゲティングとは

まずはリターゲティングの概要や必要な理由について確認します。

リターゲティングの概要と仕組み

リターゲティングとは

リターゲティングとは、Webサイトに訪れたことがあるユーザーに対して広告を表示する手法のことです。

例えば、マーケティングオートメーション(MA)の導入を検討しているAさんが、とあるベンダーのWebサイトを訪れたとしましょう。

Aさんは購買ではなく情報収集を目的としていたため、関連ページを閲覧したあとWebサイトから離脱しました。数日後、Aさんが何気なくYouTubeを見ていると、自分が閲覧したマーケティングオートメーションに関する広告が表示されたのです。これがWeb広告を用いたリターゲティングです。

Webサイトに訪れたユーザーに対してCookieを付与し、そのCookieに基づきユーザーを判別した上で広告を表示させる仕組みになっています。

リターゲティングとリマーケティングの違い

リターゲティングと似た言葉としてリマーケティングという言葉があります。この二つは同じ手法のことを指す言葉ですが、配信媒体が異なるのです。

リターゲティングは、Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)をはじめ、多くの媒体で用いられる呼び方となります。対してリマーケティングとはGoogle広告における呼称です。

どちらの呼称を用いても問題ありませんが、この記事ではより多くの媒体で活用されるリターゲティングという呼称を使いながら解説を進めていきます。

参照:ディスプレイ広告とは?仕組みやメリット、運用のポイントを分かりやすく解説

リターゲティングが必要な理由

リターゲティングが必要な理由

ここでリターゲティングという手法が、マーケティング活動において必要となる理由を確認しておきましょう。

理由①:ユーザーの大半が一度の訪問ではCVに至らない

Webサイトに訪れたユーザーが、初訪問で問い合わせや資料請求に至ることは滅多にありません。

他の選択肢となる製品・サービスなどと比較するため、競合となるWebサイトもチェックするためです。そういった状況において、何もアプローチをしなければ、競合へと流れてしまう可能性があります。そこでリターゲティングを駆使して自社の製品・サービスを想起してもらい、競合他社ではなく、自社のWebサイトへの再訪を促すことが重要になるのです。

理由②:単純接触効果によるCV率向上が期待できる

人間には「接触すればするほど、その接触対象に親密な感情を抱きやすくなる」という、いわゆる単純接触効果という心理現象があります。

リターゲティングは、この単純接触効果を利用できます。リターゲティングを活用し、Webサイトを訪れたユーザーに対してWeb広告を繰り返し表示させることで、単純接触効果を生み出すことが期待できるのです。リターゲティングで単純接触効果を生み出し、製品・サービスに対する馴染みや親密感を抱いてもらうことで、問い合わせや資料請求といったコンバージョンに繋げることができるでしょう。

リターゲティングで押さえておくべき用語

リターゲティングで抑えるべき用語

概要の最後にリターゲティングを運用する上で、押さえておくべき用語として以下の2点をご紹介します。

用語①:フリークエンシー

フリークエンシーとは、広告への接触頻度を表す言葉です。

リターゲティングは適切に運用することで、単純接触効果を得られますが、あまりにも同じユーザーに対して広告を表示し過ぎると、逆にネガティブな印象を抱かれてしまう恐れがあります。

そのためリターゲティングを運用する際は、広告表示回数を調整しながら、費用対効果の高いフリークエンシーを実現していく必要があるのです。

用語②:リーセンシー

リーセンシ―とは広告の表示間隔を示す言葉です。

ユーザーに対して一度広告を表示してから、次に表示するまでの間隔を表し、数日〜数週間として設定されることが多くなるでしょう。

間隔が長くなるとユーザーの記憶も薄れてしまい、コンバージョンにも繋げにくいため、一般的に短い間隔で表示させる方が効果が高くなる傾向があります。

2.リターゲティングの種類と課金方式

リターゲティングの概要を押さえていただいたところで、種類や課金方式についてご紹介します。

リターゲティングの種類

リターゲティングは配信の仕方や媒体、表示される仕組みなどによって、大きく7つの種類に分かれています。それぞれの特徴は以下のとおりです。

リターゲティングの種類特徴
標準のリターゲティングサイト訪問ユーザーが、ディスプレイ広告配信先のWebサイトやアプリを閲覧している際に配信する
アプリのリターゲティング企業が運営しているアプリ内のユーザー行動履歴を基に作成したリストに活用して、広告を配信する
動画リマーケティング運営しているYouTubeチャンネルに訪れたユーザーや動画視聴ユーザーに対して広告を配信する
GoogleアナリティクスのリマーケティングGoogleアナリティクスで計測したユーザーデータを基にリストを作成し、広告を配信する
顧客リストに基づくリマーケティング企業が保有する見込み顧客情報を媒体に暗号化した上でアップロードし、その情報を基に作成したリストを活用して配信する
検索広告向けリターゲティング(RLSA)Webサイトに訪問した事があるユーザーが、検索エンジンで検索を実施している際に配信する
動的リターゲティングユーザーの行動に応じて動的生成された広告を配信する

上記の種類のうち、動画リマーケティングやGoogleアナリティクスのリマーケティングについては、Google広告のみで配信することが可能です。

参照:Google広告とは?費用形態やメリット、始め方までわかりやすく解説

参照:Googleアナリティクスとは?最新のGA4のメリットや導入・設定方法などを紹介

リターゲティングの課金方式

リターゲティングによって配信されるWeb広告の課金方式として、主に以下の二つが挙げられます。

インプレッション課金

インプレッション課金は広告が1000回表示されるごとに課金される方式です。
たとえ一度もクリックされなかったとしても、Web広告が1000回表示されれば費用が生じます。そのためクリック数が少ない場合は費用対効果が悪くなる可能性があるでしょう。

クリック課金

クリック課金は、表示されたWeb広告をユーザーがクリックするごとに費用が発生する方式です。繰り返しWeb広告を表示しても、クリックされない限りは費用が発生することはありません。
そのためインプレッション課金よりも費用対効果が高くなる傾向があります。

3.リターゲティングのメリットとデメリット

続いてリターゲティングを活用するメリットとデメリットについて、確認していきましょう。

リターゲティングのメリット

リターゲティングのメリット

まずはメリットとして、以下の5つの点を紹介します。

メリット①:見込み顧客へ再アプローチできる

メリットとしてまず挙げられるのは、見込み顧客に対して再アプローチできるという点です。

先述のとおり多くの見込み顧客は、初めてのWebサイトへの訪問で購買などのコンバージョンに至ることなく離脱してしまいます。リターゲティングでは、こういった「サイトから離脱し、購買検討を中断している見込み顧客」に対して広告を表示することで再アプローチでき、サイトへの再訪を促すことができるのです。

メリット②:ブランドを想起してもらえる

自社や製品・サービスのブランドを想起してもらえるという点も、メリットと言えるでしょう。

ブランディングにおいて重要なポイントは、一貫したメッセージを繰り返し伝えていくことです。その点、リターゲティングはWebサイト訪問者に対して、何度も繰り返して広告を表示できるため、ブランドの認知拡大や浸透に繋がります。

その結果、自社ブランドがユーザーの頭の中に残り、購買検討を行う際に、選択肢の一つに加えてもらいやすくなるのです。

メリット③:費用対効果が高い

費用対効果が高い点も見逃せません。

通常のWeb広告と違い、リターゲティングは一度自社のサイトを訪れているユーザーに対して広告を表示させます。サイト訪問ユーザーは、一度も訪問したことがないユーザーよりも、ニーズが顕在化している可能性が高いため、コンバージョンに至る確率も高くなるのです。

そのため他のWeb広告を運用する際と比較して、費用対効果が高い広告運用を実現しやすいと言えるでしょう。

メリット④:検討期間が長い商材にも活用できる

次に挙げられるのは、検討期間が長い商材にも活用できるという点です。

BtoB商材は購買検討期間が長い傾向にあるため、継続的な顧客接点を確立し、選択肢に残り続ける必要があります。その点リターゲティングを駆使することで、購買検討中の見込み顧客に対して、自社製品・サービスを繰り返しアピールできるため、選択肢の一つとして残してもらいやすくなるのです。

このように購買検討期間が長くなる傾向にあるBtoB商材であっても、活用しやすいという利点があります。

メリット⑤:既存顧客のリピート促進も狙える

メリットの最後にご紹介するのは、既存顧客のリピート促進にも効果があるという点です。

Webサイト訪問者には新規顧客だけでなく、既存顧客も当然含まれます。そのためWebサイトを訪れた既存顧客に絞ってリスト化し、既存顧客向けの内容を踏まえた広告を配信することもできるのです。

既存顧客との接点を維持することは工数がかかりますが、リターゲティングを上手く活用することで効率的に顧客接点を維持しながら、リピート購買促進まで繋げられるでしょう。

リターゲティングのデメリット

リターゲティングのデメリット

デメリットとしては以下の4点が挙げられます。

デメリット①:潜在層や未認知層へのアプローチはできない

デメリットとしてまず挙げられるのは、潜在層や未認知顧客へのアプローチができないという点です。

リターゲティングはその仕組み上、一度もサイトを訪れたことがない潜在顧客や未認知顧客に対しては表示させることができません。そのためこれらの顧客層に対しては、通常のディスプレイ広告などを用いてアプローチし、まずはサイトに訪問してもらう必要があるのです。

参照:ディスプレイ広告とは?仕組みやメリット、運用のポイントを分かりやすく解説

デメリット②:ネガティブな印象を抱かれる可能性がある

ネガティブな印象を抱かれる可能性がある点も、デメリットとして挙げられます。

「ユーザーに想起してもらえる」というのはあくまで企業側の視点であり、ユーザー側からすると、訪問したことがあるサイトに関する広告が表示されることに不信感を抱いても不思議ではありません。特にリターゲティングの仕組みなどに疎い場合は、「監視されている」といったネガティブな感情を抱く可能性もあり、最悪の場合ブランドイメージが低下するケースもあるのです。

デメリット③:データ蓄積に一定の期間がかかる

次にデメリットとして挙げられるのは、データ蓄積に一定の期間がかかるという点です。

詳細は後述しますが、リターゲティングではWebサイト訪問者にCookieを発行することで、訪問ユーザーを判別します。この訪問ユーザーに関する情報を、リターゲティングに向けて蓄積してリスト化するには、ある程度の期間が必要になるのです。

そのためリターゲティングを始めたいと考えても、一朝一夕で取り組める類の手法ではない点は理解しておきましょう。

デメリット④:低価格帯の消耗品などには向かない

デメリットの最後に挙げられるのは、低価格帯の消耗品などには適さないという点です。

リターゲティングは繰り返し表示できるという点で、先に挙げたように購買検討期間が長めの商材と相性がいいですが、逆に購買検討期間が極端に短い商材には適しません。

日用品などの低価格帯は、おそらくユーザーがWebサイト(ECサイト)に訪れた時点で、購買される可能性が高いため、そもそも再度広告を表示する必要がないのです。

4.リターゲティングの運用手順

リターゲティングの運用手順3ステップ

ここからはリターゲティングの基本的な運用手順について解説します。

ステップ①:タグの発行と設置

リターゲティングを行うには、まずはWebサイトを訪れたユーザーにCookieを発行するためのタグを取得し、設置する必要があります。

GoogleやYahoo!など各広告媒体の管理ページからタグを設定し、直接またはGTMなどでリターゲティングしたいWebサイトやページに設置しましょう。タグが設置されることによって、該当Webサイトやページを訪れたユーザーそれぞれにCookieが発行され、訪問者であることが識別できるようになるのです。

参照:Googleタグマネージャー(GTM)とは?使い方や利用メリット、導入方法を徹底解説

ステップ②:ユーザーリストの作成

次に行うのは、ユーザーリストの作成です。

先のステップで設置したタグによって訪問者に対してCookieが発行されるため、その情報を基にユーザーの情報を蓄積していくことになります。ある程度ユーザー情報が蓄積できたタイミングで、リターゲティングでアプローチするユーザーを選定しリスト化していくのです。

どういった軸でリストを作成すべきかついては、後ほど解説します。

ステップ③:キャンペーンの作成とリスト紐づけ

リストが完成した後は、リターゲティングに用いる広告キャンペーンを作成します。

キャンペーンのテキストや画像などの要素については、配信ターゲットリストの特性によって最適化させましょう。キャンペーンができ次第、そのキャンペーンと事前に作成していたユーザーリストを紐づけることになります。

キャンペーンとユーザーリストの紐づけを実施したあとは、配信を開始し、効果などをモニタリングしていくことになるでしょう。

【補足】ユーザーリスト作成のポイント

補足として、ユーザーリストを作成する際に、どういったポイントを軸にリストを作成すべきかをご紹介します。

ポイント①:閲覧したコンテンツ

一つ目のポイントは、閲覧したコンテンツです。

多岐にわたる商材を扱っている場合、閲覧しているコンテンツによってユーザーの悩みや課題が異なる可能性があります。閲覧したコンテンツごとにユーザーを分類し、リスト化することで、より精度の高いリターゲティングを実施できるでしょう。

ポイント②:ユーザーの取った行動

続いてのポイントは、ユーザーの取った行動です。

Webサイトに訪れたユーザーはそれぞれの悩みやニーズに従って、ページの閲覧や関連ページへの移動など、三者三様の行動を取ります。そのためWebサイト上のユーザー行動を分析し、そこからニーズや課題を推察した上で、共通・類似行動をとったユーザーをまとめてリスト化するというのも一つの方法です。

ポイント③:サイトへの流入経路

サイトへの流入経路もポイントの一つとして挙げられます。

Webサイトへの流入経路はユーザーによって異なり、検索エンジンからの流入は勿論、SNSやWeb広告などから流入するケースもあるでしょう。そこで流入経路から購買意欲などを推察しつつ、経路別のユーザーリストを作成することも、リターゲティングにおいて有効な手法になるのです。

ポイント④:サイトに訪れたタイミング

次に挙げられるのは、サイトに訪れたタイミングです。

Webサイトに訪れたのが数日前のユーザーと、一か月前のユーザーでは、購買意欲は勿論、状況が大きく異なることが予測できます。そのため「数日以内に訪れたユーザーに絞ってコンバージョンを狙うのか、期間が開いた顧客の想起を狙うのか」といった目的を踏まえつつ、サイトに訪れたタイミングを軸にリスト化することも有効と言えるでしょう。

ポイント⑤:購入の有無

購入の有無を軸にユーザーリストを作成するケースもあります。

メリットでもお伝えしたように、リターゲティングでは新規顧客だけでなく既存顧客にもアプローチできますが、新規か既存かによって訴求すべきメッセージは異なるはずです。新規顧客と既存顧客を一緒くたにせず、購入経験の有無を基に別々のユーザーリストを作成することで、最適なリターゲティングが実現できます。

5.リターゲティングの効果を高めるポイント

リターゲティングの効果を高めるポイント

リターゲティング広告の手順を確認いただいたところで、ここからは効果を高めるポイントについてご紹介します。

ポイント①:セグメント別に最適化させる

一つ目のポイントは、セグメント別に配信する広告を最適化させるという点です。

サイトに訪れた顧客情報を属性や特徴を基に、いくつかのセグメントに分け、各セグメントに適したキャンペーン内容を構築することが重要になります。セグメントに用いる属性や特徴には、リスト作成におけるポイントで紹介した内容に加え、年齢や性別、活用しているデバイスやWebサイトの滞在時間などを活用するとよいでしょう。

セグメントごとに最適化したキャンペーンを展開することで、コンバージョンに繋がる可能性も高まります。

ポイント②:離脱したページ階層からモチベーションを推察する

続いて挙げられるポイントは、ユーザーが離脱したページ階層からモチベーションを推察するという点です。

トップページで離脱したユーザーと、問い合わせページで離脱したユーザーとでは、モチベーションが大きく異なることは言うまでもありません。

訪問ユーザー全てにリターゲティングを実施するのは工数がかかるため、離脱ページからモチベーションを推察し、コンバージョンに至る可能性が高いユーザーに対して優先的に配信することで、成果も上げやすくなるでしょう。

ポイント③:配信タイミングを工夫する

配信タイミングを工夫することもポイントとして挙げられます。

Webサイトを訪問して数日の間は、ユーザーの製品・サービスに対する興味度や購買意欲も高いことが予想できます。しかし、あまりにも日数が立つとモチベーションが下がっている可能性が高く、最悪の場合他社の製品・サービスを選んでいるケースもあるのです。

そのためコンバージョンに繋げたい場合は2〜3日以内に配信するなど、できるだけ早いタイミングでアプローチした方がよいでしょう。

ポイント④:効果検証と改善を行う

ポイントの最後にご紹介するのは、効果検証と改善を行うという点です。

通常のWeb広告運用と同じく、リターゲティングを行う場合も、広告の効果をモニタリングしつつ、必要に応じて改善していく必要があります。

リストの精査やキャンペーン内容の改善、フリークエンシーやリーセンシの調整といった様々な改善活動に取り組み、効果的なリターゲティングを実現しましょう。

リターゲティング運用における注意点

ポイントと併せて、注意点についても押さえておきましょう。リターゲティングにおける注意点としては、以下のような点が挙げられます。

タグの設定が漏れている

リターゲティングによって再訪してもらいたいWebサイトやページに、タグを設置し忘れていれば、そもそもリターゲティングができません。

良質な配信リストを作成できていない

取得した顧客データをまとめて掘り込んだだけのような質の低いリストになっている場合、効果を上げることはできないでしょう。

効果検証や改善に取り組んでいない

仮に質の高い配信リストを作り込み、最適と思われるキャンペーンを配信できたとしても、実際に配信してみると全くコンバージョンに繋がらないというケースもあります。そのためタグの設置や良質な顧客リストの制作は前提として、効果検証や改善にもしっかりと力を入れることが、リターゲティングを成功させる上での大きな要素になるのです。

6.Cookie規制によるリターゲティングへの影響

最後にリターゲティングに大きく関わるCookie規制についてご紹介します。

Cookie規制とは

cookie規制

Cookie規制とは、Cookieによって保存されているユーザー情報の利用が制限されることを指します。CookieにはファーストパーティーCookieとサードパーティーCookieがあり、それぞれ以下のような特徴を持ちます。

種類内容
ファーストパーティーCookieブラウザにユーザーの行動や入力情報を記録するCookieであり、ユーザーが訪問したWebサイトのドメインから直接発行される。ログイン情報やECサイトのカート状態の保持などに活用される。
サードパーティーCookieユーザーが訪問したWebサイト以外のドメイン(例えばGoogle広告など)から発行されるCookie。リターゲティング広告に活用されている。

上記のうち、サードパーティーCookieについて「プライバシーの侵害に繋がる」という見解が拡がっており、米国や欧州では法規制が進み、ブラウザ側でも自発的な規制強化が進んでいるのです。

現状本人の同意を得ることでサードパーティーCookieの利用は可能ですが、今後さらに規制が強化される可能性もあり、もしサードパーティーCookieの利用ができなくなれば、当然リターゲティングの取り組みもできなくなるでしょう。

企業が取るべき対応とは

それではリターゲティングを活用していた企業は、今後どういった対応をすればよいのでしょうか。

取るべき対応として、まず挙げられるのは顧客分析の仕組みの構築です。リターゲティングを活用しなくても精度の高い広告運用が行えるように、ペルソナやカスタマージャーニーといった手法を用いて深いレベルで顧客分析を行えるようにしておくことが求められます。

またそもそも広告を中心としたアウトバウンド手法ではなく、コンテンツマーケティングなどを軸としたインバウンド手法への転換も必要になります。インバウンド手法を確立し、広告を運用せずとも顧客獲得に繋げられる体制が構築できれば、Cookie規制の影響を受けることなく、成果を上げていくことができるでしょう。

参照:インバウンドマーケティングとは?メリットや手法、実施の流れまで詳しく解説

7.まとめ 

今回はリターゲティングについて、仕組みやメリット、運用手順などについてまとめて解説してきましたが、いかがでしたか。

リターゲティングは通常のWeb広告運用と比較して、コンバージョンに繋がる確率も高いという特長があり、見込み顧客へのアプローチにおいて強力な手法となります。しかしCookie規制などの影響もあるため、リターゲティングだけに頼ったマーケティング活動はリスクが伴います。

リターゲティングを活用しつつ、Web広告以外のアプローチ方法も同時に確立しておくことで、今後も安定した顧客獲得に繋げることができるのです。ぜひこの記事を参考に、リターゲティングの活用に取り組んでみてください。

Strhではリターゲティングをはじめとした、マーケティング戦略の策定から施策の実行支援まで、ワンストップでのご支援が可能です。マーケティング活動でお困りごとがございましたら、まずはお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント

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