ディスプレイ広告とは?仕組みやメリット、運用のポイントを分かりやすく解説

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ディスプレイ広告とは?仕組みやメリット、運用のポイントを分かりやすく解説

この記事でわかること

  • ディスプレイ広告とは?概要やリスティング広告との違い
  • ディスプレイ広告の課金形式
  • ディスプレイ広告の商材や種類
  • ディスプレイ広告のメリット・デメリット
  • ディスプレイ広告におけるポイント

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

マーケティングに携わりはじめて間もない方の中には、「ディスプレイ広告という言葉を聞いたことがあるものの、正直どういった広告なのかよく分からない」という方や「これから自社でディスプレイ広告を始めようと思っている」という方もいらっしゃるでしょう。

この記事は上記のような方に向けて、ディスプレイ広告の概要やメリット、種類などを分かりやすく解説していきます。運用の成功事例やポイントまでご紹介していますので、ぜひ最後までご確認ください。

目次

1.ディスプレイ広告とは

まずはディスプレイ広告について、概要や主な種類などを確認していきましょう。

ディスプレイ広告の概要と仕組み

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示されるWeb広告のことです。企業側で広告の入札額や出稿媒体、リーチしたいターゲットを設定し、配信する仕組みとなっています。

テキストだけでなく、画像や動画も含めた形式で表示できるため、ユーザーの興味や注目を惹きやすいという特徴があります。Webサイトやアプリのコンテンツ内容と関連性の高い広告を表示できることから、コンテンツ連動型広告とも呼ばれており、検索連動型広告と併せてWeb広告運用における代表格となっているのです。

リスティング広告(検索連動型広告)との違い

ディスプレイ広告とよく比較されるのが「リスティング広告(検索連動型広告)」です。ここでディスプレイ広告とリスティング広告(検索連動型広告)との違いについて、簡単に押さえておきましょう。

参照:リスティング広告とは?メリットや始め方、成功のポイントまで簡単に解説

①広告表示場所

ディスプレイ広告はWebメディアやブログサイトをはじめ様々なWebサイトやアプリの広告枠に表示されます。そのため、配信方法や時期・タイミングによっては数多くのユーザーに広告を表示させることができます。

それに対してリスティング広告は、検索エンジンでユーザーの検索したクエリ(キーワード)に合わせて、検索結果画面の上部や下部に広告が表示されます。したがって、ディスプレイ広告と比較するとユーザーの明確な行動(検索)によって、広告を表示させる形になります。

②主な配信ターゲット層

ディスプレイ広告は数多くのWebサイト・アプリの広告枠に表示されるため、「潜在的に悩みやニーズはあるが、まだ自分でも気付いていないユーザー」や、「そのカテゴリには興味関心があるが、自社の商品はまだ知らないユーザー」など、「潜在層」のユーザーに幅広くリーチすることができるのが特徴です。

リスティング広告は、検索というユーザーの意図的な行動に連動して表示される広告のため、一定ニーズが顕在化したユーザーに絞ってリーチすることができます。

例えば「MAツール 比較」と検索するユーザーは、MAツールに興味関心がありツールの比較検討を行っているユーザーの可能性が高いことが推測できます。こういった「顕在層」ユーザーに広告をピンポイントで配信することができるのが特徴です。

③広告クリック単価

ディスプレイ広告とリスティング広告では広告クリック単価にも違いがあります。入札方法やターゲットによって異なるので一概には言えませんが、一般的にはリスティング広告と比較して、ディスプレイ広告のクリック単価は低くなる傾向があります。

リスティング広告は検索結果という配信面に絞られていてかつ、「顕在層」に対して広告を配信したい企業は多く、競合性が高くなる傾向があり、その結果クリック単価は高くなっていく傾向があります。

それに対してディスプレイ広告は、配信面が多いため比較的クリック単価は低くなる傾向があります。もちろんターゲットをかなり細かく絞り込んだりすると、配信面は少なくなりクリック単価は上がっていくので、バランスには注意が必要です。

④表示形式

ディスプレイ広告は画像や動画、テキストの形式で広告を配信でき、かつそれらを組み合わせてビジュアルをメインに広告配信することが可能です。

一方でリスティング広告は画像を設定するオプションもありますが、基本的には検索結果に対してテキストのみの表示形式になります。主な違いを表としてまとめていますのでご確認ください。

ディスプレイ広告リスティング広告(検索連動型広告)
主な運用目的認知獲得、ブランディングコンバージョン獲得
表示場所Webサイトやアプリの広告枠検索結果表示ページの上部
クリック単価リスティングと比較し安価KWによっては高くなる傾向がある
表示形式テキストや画像、動画テキストのみ
主なターゲット層未認知顧客や潜在顧客ニーズが顕在化している見込み顧客
運用コスト比較的低く抑えられる出稿キーワードによって、高額になる場合がある

ディスプレイ広告の費用・課金形式

ディスプレイ広告の課金形式

ディスプレイ広告の課金形式としては主に以下の2種類が挙げられます。

クリック課金

ディスプレイ広告における代表的な課金形式はクリック課金です。
クリック課金とは、表示された広告をユーザーがクリックした際に費用が発生する形式となっており、クリックされない限り費用が発生することはありません。そのため無駄なコストを抑えることができるという利点があります。

インプレッション課金

クリック課金ほどではありませんが、インプレッション課金を採用する場合もあります。

インプレッション課金とは、広告が1000回表示される度に課金される方式です。
クリック課金とは異なり、一度もクリックされなくても1000回表示されれば費用がかかってくるため、クリックが見込めない場合は費用対効果が悪くなるでしょう。

ディスプレイ広告が向いている商材や活用シーン

リスティング広告との違いを押さえていただいたところで、ディスプレイ広告が向いている商材や具体的な活用シーンなどを確認していきましょう。

ディスプレイ広告と相性がいい商材

ディスプレイ広告はWebサイトやアプリに訪れたユーザーに対して、関連したテーマの広告を表示することで、潜在的なニーズを顕在化させ、衝動的な購買行動を促すことが可能です。そのためファッションアイテムや化粧品といった、比較的低価格であり、購買のハードルが低いBtoC系の商材と相性がいいと言えるでしょう。

ディスプレイ広告の活用シーン

ディスプレイ広告は衝動的な購買行動を促せることもあるものの、リスティング広告のように、問い合わせなどのコンバージョンを得ることを主目的として運用する場合には適していません。基本的にはWebサイトやアプリを利用するユーザーの認知獲得を目的として運用を行い、未認知顧客や潜在顧客を見込み顧客へと育成していく役割を担うと言えるでしょう。

2.ディスプレイ広告の主な種類

ディスプレイ広告を運用する際は以下のいずれかを利用することになるでしょう。

Googleディスプレイネットワーク(GDN)

Googleディスプレイネットワーク(以下、GDN)とは、Google広告におけるディスプレイ広告を配信する際に用いるネットワークのことを指します。GDNを利用することで、YouTubeやGmailといったGoogleが所有しているサービスは勿論のこと、パートナーのWebサイトなどを含めて、3,500万のWebサイト やアプリに対してディスプレイ広告を出稿できるのです。

Google広告ではキャンペーンを作成する際、AIを活用して最適なターゲット設定や入札などを行う機能が搭載されているため、ディスプレイ広告運用に慣れていない方でも成果に繋げやすいでしょう。なおYouTubeへのディスプレイ広告出稿に関しては、GDNを用いる配信以外にも、YouTube広告から直接プレースメント(広告を表示できる枠)を購入して配信する方式があります。
その場合、Google広告アカウントでは利用できないYouTubeトップページなどの広告枠に出稿することが可能です。

GDNの詳細については、こちらのページを併せてご確認ください。

参照:Google広告とは?費用形態やメリット、始め方までわかりやすく解説

Yahoo!広告 ディスプレイ広告 運用型(YDA)

Yahoo!広告 ディスプレイ広告 運用型(以下、YDA)は、Yahoo!広告が提供するディスプレイ広告サービスです。Yahoo!JAPANのポータルサイトは勿論、Yahoo!ニュースやYahoo!ショッピングといった各コンテンツページに加え、提携しているWebサイトの広告枠に出稿できます。

Yahoo!JAPANは国内最大級のポータルサイトであり、月間アクティブユーザー数は約8,400万人(2023年9月30日時点)を誇ります。YDAを利用することでこれらのユーザーにリーチでき、効率的に認知獲得に繋げられるでしょう。

YDAの詳細については公式サイトをご確認ください。

3.ディスプレイ広告の主なフォーマット

ディスプレイ広告の主なフォーマット

ここからはディスプレイ広告における主なフォーマットについてご紹介します。

バナー広告

一つ目にご紹介するフォーマットはバナー広告です。バナー広告は、Webサイトなどの広告枠に表示される「テキストと画像を組み合わせた広告」のことです。

ディスプレイ広告の中で最も一般的なフォーマットとなっており、ディスプレイ広告=バナー広告と認識されている方も多いでしょう。テキストや画像を自由に組み合わせて視覚的な訴求ができるため、潜在層への認知拡大は勿論、ブランディングなどの効果も得られるという利点があります。

その一方で運用に必要な素材も多く、配信する広告枠のサイズに合わせてクリエイティブ(広告のテキストや画像、デザインなど)を制作する必要があるため、制作工数がかかるという点は注意が必要です。

レスポンシブ広告

次にご紹介するのはレスポンシブ広告です。レスポンシブ広告とは、広告枠に合わせて、広告サイズや表示形式などを自動的に調整して表示される広告を指します。

広告枠に自動的に最適化されるため、あらかじめ広告表示サイズなどを気にする必要はなく、画像やテキストを設定するだけで運用可能です。そのためバナー広告よりも制作にかかる工数を抑えることができます。

ただしフォーマットが共通となっているため、競合とのクリエイティブの類似性が高くなり、独自性を伝えにくい点は留意しておかなければなりません。

動的ディスプレイ広告

続いてフォーマットとして紹介するのは、動的ディスプレイ広告です。動的ディスプレイ広告とは、インターネット上におけるユーザーの行動履歴や属性を基にして、各ユーザーにパーソナライズされた広告を動的生成して配信する手法のことを指します。

各ユーザーに対して最適な広告が表示されるため、認知獲得だけでなく購買促進などにも効果的に繋げられるでしょう。主にリターゲティングを目的として活用され、Googleでは動的リマーケティング広告と呼ばれています。リターゲティングについては、後ほどご紹介します。

テキスト広告

テキスト広告もディスプレイ広告のフォーマットとして挙げられます。テキスト広告とはその名のとおり、テキストのみのディスプレイ広告です。素材がテキストのみであるため制作工数がかからず、手軽に運用できます。

またテキスト広告はWebサイトのコンテンツに馴染みやすく、広告感を抑えることができるため、自然な形で訴求できるという強みがあるのです。ただし画像や動画を用いたディスプレイ広告と比較して、瞬時に目を惹くような効果はないため、その点は注意しましょう。

動画広告

ディスプレイ広告のフォーマットとして最後にご紹介するのは動画広告です。動画広告はYouTubeやYahoo!ニュースフィードといった動画広告枠のある媒体に出稿できるディスプレイ広告です。

動画はテキストや画像よりも情報伝達力が高いため、上手く配信することで認知獲得や購買促進に繋げることができるでしょう。ただし、他のフォーマットよりも制作工数がかかる点は注意が必要です。

4.ディスプレイ広告のメリット・デメリット

続いてディスプレイ広告を活用するメリットとデメリットをご紹介します。

ディスプレイ広告のメリット

ディスプレイ広告のメリット

ディスプレイ広告の運用メリットとしては主に以下の5点が挙げられます。

メリット①:認知獲得の効果が高い

一つ目のメリットは認知獲得の効果が高いという点です。
ディスプレイ広告はWebサイトやアプリに表示されるため、たとえ自社や製品・サービスのことを知らないユーザーであっても、広告枠のあるWebサイトなどに訪れてもらいさえすれば、リーチできます。そのためWeb広告の中でも、潜在顧客や未認知顧客からの認知獲得効果が特に高い広告であると言えるでしょう。

メリット②:画像や動画を用いた幅広い訴求が可能

続いて挙げられるメリットは、画像や動画を用いた幅広い訴求が可能という点です。
テキストのみで訴求するリスティング広告とは異なり、ディスプレイ広告は画像や動画といった素材を活用できます。そのためテキストによる論理的な訴求に加え、視覚要素による感覚的な訴求を併せて行うことができるため、製品やサービスに関してより具体的にアピールすることが可能なのです。

メリット③:ブランディングに有効

ブランディングに有効である点もメリットとして挙げられるでしょう。
先のメリットに挙げたとおり、ディスプレイ広告では画像や動画といった視覚的な要素を利用できるため、企業や製品・サービスにおけるブランディングツールとしても活用できます。企業におけるブランドカラーやコンセプトなど含めたディスプレイ広告を配信することで、企業や製品・サービスに関するブランドの認知拡大を狙うことができるでしょう。

メリット④:リターゲティングが可能

リターゲティング広告が可能である点も見逃せません。リターゲティングとは、自社のWebサイトに訪れた見込み顧客に対して、広告を表示させる手法です。

動的ディスプレイ広告(動的リマーケティング広告)を中心にリターゲティングに活用することで、自社の製品・サービスを想起してもらい、購買検討の再開を促すことができます。リターゲティングを駆使することで、潜在・未認知顧客からの認知獲得だけでなく、見込み顧客に対するアプローチも実現できるのです。

参照:リターゲティングとは?仕組みや種類、運用の手順まで分かりやすく解説

メリット⑤:比較的低予算で運用できる

メリットの最後に挙げられるのは、比較的低予算で運用できるという点です。
ディスプレイ広告の主となる課金方式はクリック課金となりますが、ターゲットや商材などによって変わるものの、平均的なクリック単価は50円から数百円となっています。クリック単価の平均が数百円から1000円程度のリスティング広告と比較して、低い傾向があるのです。

ディスプレイ広告のデメリット

ディスプレイ広告のデメリット

ディスプレイ広告のデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

デメリット①:コンバージョンに繋がりにくい

一つ目のデメリットは、コンバージョンに繋がりにくいという点です。
ディスプレイ広告の主な訴求対象は潜在顧客や未認知顧客になります。そのためニーズが顕在化している見込み顧客を主なターゲットとするリスティング広告と比較して、コンバージョンに繋がりにくいという難点があるのです。リターゲティングなどの例外はあるものの、基本的にはコンバージョンではなく認知獲得を目的に活用する広告であると認識しておきましょう。

デメリット②:改善活動に取り組みにくい

次に挙げられるデメリットは、改善活動に取り組みにくいという点です。
リスティング広告は構成要素がテキストのみであるため、結果と原因の関係も分かりやすいという特徴があります。その点、ディスプレイ広告はテキストだけでなく画像や動画など、様々な要素が組み合わさっているため、結果と原因の因果関係が分かりづらいのです。そのため、どの要素に問題があるのかを把握することが難しく、改善に繋げにくいと言えるでしょう。

デメリット③:広告費用の消化ペースが速い

デメリットの最後に挙げられるのは、広告費用の消化ペースが速いという点です。
ディスプレイ広告はWebサイトやアプリを利用している数多くのユーザーに表示できるため、比例してクリックされる機会も多くなることが予想できます。その結果、一日あたりの予算を消化するスピードが速く、計画よりも表示期間が短くなるなどの事態に繋がる可能性があるのです。そのため予算や出稿ペースなどは柔軟に調整していく必要があるでしょう。

5.ディスプレイ広告を掲載するまでの基本的な流れ

次にディスプレイ広告を掲載するまでの基本的な流れを、GDNとYDAに分けてご紹介します。

Googleディスプレイネットワークの流れ

Googleディスプレイネットワーク(GDN)でディスプレイ広告を運用するには、まずGoogleアカウントとGoogle広告アカウントを作成しなければなりません。

その後Google広告の管理ページで、新しいキャンペーンとしてディスプレイ広告を選択し、配信したい地域やターゲットなどを設定します。その後、テキストや画像といったクリエイティブを作成して配信していきます。

配信したあとは、Google広告の管理ページから効果をモニタリングしながら、必要に応じて内容を調整していくことになるでしょう。

Google広告の始め方については、以下の記事も併せてご確認ください。

参照:Google広告とは?費用形態やメリット、始め方までわかりやすく解説

Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)の流れ

Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)を始めるには、まず公式サイトにアクセスして「Yahoo!広告をはじめる」をクリックし、広告運用の申込みを行いましょう。

その後、広告管理ツールで広告クリエイティブの作成や予算の上限といった内容を設定し、最後に支払情報を入力します。申し込んだ広告キャンペーンの審査が完了次第、ディスプレイ広告の掲載が開始されるのです。

掲載後は管理ツールから広告内容の調整や配信停止といった操作が可能となっているため、効果検証を実施しつつ、最適化していくとよいでしょう。

参照:Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)|LINEヤフー for Business

6.ディスプレイ広告運用における成功事例

ディスプレイ広告運用の流れを押さえていただいたところで、ここからは成功事例についてご紹介します。

成功事例①:三栄電子株式会社

事例としてまずご紹介するのは、電子部品の専門商社である三栄電子株式会社の事例です。三栄電子は従来展示会を新規開拓のメインチャネルとして利用していましたが、コロナの発生により、展示会開催ができない状態に陥りました。

そこで新たな新規開拓の方法を模索しているなか、Googleの検索広告とディスプレイ広告を導入したのです。その結果、Google広告導入前と比べて問い合わせ数200%や商談件数10倍、契約件数10倍といった成果を生み出しました。

参照:デジタルで商談件数 10 倍を実現した三栄電子株式会社|Google広告

成功事例②:ひらまつ株式会社

次にご紹介するのは、レストラン事業を営んでいる株式会社ひらまつの事例です。ひらまつは雑誌をメインとしてマーケティング活動を行ってきたものの、顧客の情報収集行動がデジタル化してきたことに伴い、デジタル手法への転換が必要となりました。

そこで現場の思いや魅力を伝えるコンテンツとして動画広告に着目し、GoogleのYouTube広告とディスプレイ広告における動画広告の活用を始めたのです。その結果、公式ページの予約数120%に加え、業界水準より10%高い見学予約数の達成といった成果を上げました。

参照:動画広告を活用し、予約数 120% を達成したひらまつ|Google広告

成功事例③:株式会社 FiNC Technologies

続いてご紹介するのは、健康管理アプリ「FiNC」の運営を行う株式会社 FiNC Technologiesの事例です。FiNC Technologiesは、目標CPI(Cost Per Install/1インストール当たりの広告費用)を抑えること、かつ複数の広告媒体運用により生じている工数削減に課題がありました。

そこでYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)を導入することにしたのです。その結果、直感的な管理画面で広告を管理できるようになったことで、工数削減に繋げつつ、キャンペーン目的をアプリ訴求としたことにより、CPIを65%削減できました。

参照:【成功事例】獲得単価65%削減を達成 株式会社 FiNC Technologies様|LINEヤフー for Business

成功事例④:ナイル株式会社

事例の最後にご紹介するのは、定額マイカーリース事業を展開するナイル株式会社の事例です。ナイルは広告運用におけるKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)として、CPA(Cost per Acquisition:顧客獲得単価)を設定していましたが、目標水準に達しないという課題を抱えていました。

そこで課題を解決すべくYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)を導入したのです。その結果キャンペーン単位での目標設定と配信ロジックの最適化ができたことにより、CPAの26%削減を実現できました。

参照:ディスプレイ広告(運用型)への移管でCPA26%減 ナイル株式会社様|LINEヤフー for Business

7.ディスプレイ広告運用における8つのポイント

ディスプレイ広告運用における8つのポイント

最後にディスプレイ広告運用におけるポイントを7つご紹介します。

ポイント①:目的を明確にする

一つ目のポイントとして挙げられるのは、目的を明確にするということです。
ディスプレイ広告は認知獲得をはじめ、衝動的な購買の促進やブランディングといった様々な用途に活用できますが、それぞれ最適なクリエイティブは異なります。

そのためディスプレイ広告を通じて、どういった結果を得たいのかをあらかじめ明確にすることが重要になるのです。目的を明確にしておくことで、クリエイティブ制作の精度も高まるでしょう。

ポイント②:ターゲットを明確化する

次に挙げられるポイントは、ターゲットを明確にするという点です。
配信する目的と併せて、顧客ターゲットが明確になっているかどうかも、運用やクリエイティブの精度を左右する重要な要素となります。

ディスプレイ広告を運用する際は、ターゲット顧客がどういったニーズや悩みを抱えているのかを深く分析し、その内容を基に媒体やテキストなどの素材を選定していきましょう。その結果、ディスプレイ広告運用の精度が高まり、成果にも繋がりやすくなるのです。

参照:現場でも混同しがちなセグメンテーションとターゲティングの違いとは?

参照:【DLできるテンプレート公開】ペルソナとは?作り方の5つのステップや具体的な活用方法を解説

ポイント③:費用対効果の高い配信先に集中する

費用対効果の高い配信先に集中するという点も重要なポイントになるでしょう。
ディスプレイ広告を運用する際は複数の配信先に出稿することになりますが、ただ惰性で配信し続けていても効果を高めることはできません。

各配信先の効果をリアルタイムで把握しつつ、それぞれの効果を比較し、費用対効果の低い配信先は除外する必要があるのです。そして高い成果を上げている配信先に、除外した配信先分の予算も集中して投入することで、ディスプレイ広告における成果を高めていくことができるでしょう。

ポイント④:リターゲティングから始める

リターゲティングは潜在層に対する広告配信ということは先ほど紹介しました。潜在層に対しての配信なので、短期的に大きくコンバージョン数を増加させにくいという特徴があります。

そのなかでもリターゲティング広告は興味関心度が高いユーザーに対して配信を行えるので、ディスプレイ広告のなかでも成果がでやすい施策と言えます。リターゲティングから始めることで、短期的なコンバージョン数などの成果も出しつつ、潜在層向けの配信を行っていくことでより効果の高いディスプレイ広告の運用を行えるでしょう。

ポイント⑤:クリエイティブを最適化させる

クリエイティブを最適化させることも、重要なポイントとして挙げられます。
先ほどもお伝えしたように、目的やターゲットによって最適なクリエイティブやフォーマットは異なります。

認知獲得の場合はレスポンシブ広告でも効果を発揮しますが、ブランディングの場合はオリジナルのバナー広告や情報量の多い動画広告の方が適しているでしょう。

また広告内に含めるテキストや画像も、認知獲得なのかブランディングかによって最適なものが異なってくるのです。そのため目的やターゲットを起点に、適切なクリエイティブとフォーマットを選択し、配信することが重要になるでしょう。

ポイント⑥:クリエイティブの効果検証と改善を実施する

続いて挙げられるポイントは、クリエイティブの効果検証と改善を実施するという点です。
目的やターゲットを基に最適なクリエイティブを制作できたと思っても、実際に配信してみると想定していたような成果が得られない、といったことは往々にして起こり得ます。

そのためディスプレイ広告を運用する際は、効果検証を適宜行いながら、仮説を立てて改善や調整を実施していくことが求められるのです。先述のとおりリスティング広告よりも改善の難易度は高いですが、繰り返し効果検証を行うことで、徐々に精度の高い仮説構築や改善に繋げていくことができるでしょう。

【補足】ディスプレイ広告における主なKPI(効果測定指標)

補足として、ディスプレイ広告における主な効果測定指標をご紹介します。主な指標は以下のとおりです。

KPI (効果測定指標)内容
インプレッション数広告が表示された回数
リーチ数広告を見たユーザー数
クリック数広告がクリックされた数
クリック率クリック数を表示回数で割った指標
コンバージョン数問い合わせといったコンバージョンへ至った数
コンバージョン率コンバージョン数をクリック数で割った指標

これらの値を確認しながら、クリエイティブや配信先などを調整していくことになるでしょう。

ポイント⑦:ランディングページとの統一感を意識する

次に挙げられるのはランディングページ(以下、LP)との統一感を意識するという点です。
LPとはWeb広告などをクリックしたユーザーに表示するWebページのことです。

ディスプレイ広告で訴求している内容やデザインと、LPの内容が大幅にずれている場合、「広告に興味を惹かれてクリックしたのに、全然内容が違う」といった印象を抱かれ、離脱してしまうでしょう。その点ディスプレイ広告とLPの内容・デザインが統一できていれば、ユーザーに不信感を与えることなく、スムーズに製品・サービスのアピールに繋げることができるでしょう。

ポイント⑧:リスティング広告なども併用する

最後のポイントはリスティング広告なども併用するという点です。
繰り返しになりますが潜在顧客が主な対象となるディスプレイ広告は、コンバージョンに繋がりにくいという難点があります。

そのためリスティング広告やリターゲティングなどの手法も併せて活用し、認知獲得だけでなく、コンバージョンにも着実に繋げられるようにしておくことが重要になるのです。

7.まとめ

今回は代表的なWeb広告であるディスプレイ広告をテーマに、概要やメリットなどを解説してきましたが、いかがでしたか。

ディスプレイ広告は、自社のことを知らない未認知顧客やニーズが不明確な潜在顧客に効率的にアプローチできる優れたWeb広告です。高い認知獲得効果やブランディング効果が見込まれるため、コンバージョンにも繋げやすいリスティング広告などと併せて活用することで、Web広告によるマーケティング成果を底上げしてくれるでしょう。

ぜひこの記事を参考に、ディスプレイ広告活用をご検討ください。

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執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント

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