2024年2月 Salesforce Spring’24 リリース まとめ
この記事でわかること
- Spring’24での各製品のアップデート
- Eintein GPTのアップデート
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
Salesforceで年3回あるバージョンアップ。毎年、Winter(10月頃)、Summer(6月頃)、Spring(2月頃)と新しいバージョンにアップデートが行われます。
今回は2024年2月11日にSpring’24のバージョンアップがリリースされるので、Sales Cloud・Account Engagement・Marketing Cloudを中心に主なアップデートについて本記事では紹介させていただきます。
今回はSalesforceのAIである、Einsteinを中心に各機能のアップデートが行われておりますので、本記事を参考に皆さまの現場でもアップデートに対応できるようにしましょう。
参照:Salesforce(セールスフォース)とは?機能やメリット・デメリットを簡単に解説!
目次
Sales Cloudに関する注目のアップデート
Sales Cloud Einsteinのリリースが大きな注目点ではありますが、その他にもMeeting Studioが廃止されてSalesforce Meetingが新たにリリースされた点もポイントです。
Sales Cloud Einsteinが登場
Einsteinの生成AIを活用して営業担当の受信箱からメールドラフトを作成して、取引先や商談の関連情報まで含めることができる機能です。この機能を活用することで、セールスデータを利用してバイヤーが求める情報を含むパーソナライズされたメールを自動で生成することが可能になり、営業担当者のメール作成業務の効率化及び商談の拡大を期待することができます。
*Salesforce Help_Salesforce Spring’24より画像引用
本機能の利用には「Einstein Sales Emails」権限セットが必要で、Unlimitedエディション以上のライセンスが必要になります。また、GmailやOutlookの機能にアクセスできるようにするためには、別途Gmail / Outlookとの連携設定が必要な点には注意が必要です。
参照:Einstein でのパーソナライズされたセールスメールのドラフト作成 – Salesforce Help
Meeting Studioが廃止されSalesforce Meetingに
今回のリリースで、Meeting Studioが廃止され、Salesforce Meetingの利用が可能になりました。
Salesforce Meetingを利用することでミーティングのダイジェストを使用して重要なミーティング情報を表示することができ、ミーティングが開始される前に関係者で意見をすり合わせることができます。
「Sales Engageの設定」から設定を行うことができ、行動の詳細レコードに [ミーティングのダイジェスト] タブが表示されます。
参照:Sales Engagement の設定でミーティングのオプションを容易に設定 – Salesforce Help
マーケティングアプリケーションの名称変更
「マーケティング」と呼ばれる従来のアプリケーションは「従来のマーケティング CRM」に名称が変更されました。
アプリケーションでは引き続きリード、キャンペーンなどの CRM オブジェクトを使用でき、アプリケーションはアプリケーションランチャーからアクセスすることができます。
Account Engagement(旧 Pardot)に関する注目のアップデート
Account Engagement(以下、Pardot)についても、Einsteinの生成AIを利用することが可能になったのが注目のポイントです。
Account Engagemet(旧 Pardot)でのEiinstein GPTを利用したコンテンツ生成が可能に
Einstein GPTを利用してPardotの各種コンテンツの生成を行うことができるようになりました。PardotのEinsteinアシスタントを利用して、生成できるようになるコンテンツは以下の通りです。
- フォーム
- ランディングページ
- メール(メール件名・メール本文)
Einsteinアシスタントのウィンドウは、フォーム、ランディングページ、メールを作成する際、または既存のコンテンツを編集する際に表示されます。
ただし注意点もいくつかあります。まず、この機能を利用できるのは以下のライセンスに限定されています。
- Account Engagement Advanced Edition
- Account Engagement Premium Edition
- Account Engagement Enterprise Edition
- Account Engagement Unlimited Edition
- Account Engagement Performance Edition
また、現時点ではEinsteinアシスタントは英語のみをサポートしているので、日本語対応が待たれます。
GmailとYahooのスパム防止方法変更に伴う送信ドメインの更新
GmailとYahooが2024年にスパム防止方法の変更を発表しました。それに伴い、一括メール送信者は新たなメール送信ドメインの要件を満たす必要があります。
具体的には検証済みのDKIMレコードで送信ドメインを更新し、メールがスパムフィルターに分類されないように対応を行いましょう。
現在Pardotのメール送信ドメインからメールを送信するのに、検証済みDKIMレコードは必要ありませんでしたが、メール送信ドメインに検証済みのDKIMレコードがない企業については、今後のメールプラットフォームに変更に備えて、早めにDKIMレコードを検証することを検討してください。
参照:2024 年のメールプラットフォーム変更に備えた Marketing Cloud Account Engagement の一括送信者向けガイドライン – Salesforce Help
参照:Account Engagment(旧 Pardot)のメール送信ドメインの設定方法を必要性も合わせて徹底解説
Marketing Cloudに関する注目のアップデート
Einstein AI を使用したキャンペーンとセグメントの生成が可能に
キャンペーンの目的と目標に関する詳細をMarketing Cloudに入力すると、KPIや対象オーディエンス、推奨コンテンツを含むキャンペーンの概要がEinsteinで生成されます。
また、Einsteinの生成AIで属性データを利用して該当するセグメントを自動生成し、メールの件名やプリヘッダー、本文テキストを生成することもできるようになります。
ただし、この機能を利用できるのは以下のライセンスに限定されています。
- Marketing Cloud Growth Editionを備えたSalesforce Enterprise Edition・Unlimited Edition
*Salesforce Help_Salesforce Spring’24より画像引用
参照:Einstein AI を使用したキャンペーンとセグメントの生成 – Salesforce Help
参照:マーケティングクラウドとは?Salesforce Marketing Cloudの機能や価格体系、導入時のポイントなどを徹底解説
Einsteinに関する注目のアップデート
Einstein及びEinsteinプラットフォームは毎月新たにリリースされるため、今回はSpring’24のリリースでロールアウトされる1月分のリリースについて概要をご紹介します。
製品 | 機能 | リリースノート |
---|---|---|
Commerce Cloud | コンシェルジュ、Einstein 返品インサイト、ページのメタタグ、スマートなプロモーションなど | Commerce Einstein |
Data Cloud | Einstein セグメント | 生成 AI を使用した適切なオーディエンスへのリーチ |
Einstein Search | Einstein Search、Search Answers | Einstein Search |
Industries | Contracts AI | Contracts AI |
Sales Cloud | 通話エクスプローラー、通話の概要 | Einstein 会話インサイト |
Sales Cloud | 取引先責任者の提案 | Einstein の提案を使用して新しい取引先責任者を見つける時間を節約 |
Sales Cloud | Einstein 活動キャプチャ、セールスメール | Sales Cloud Einstein |
Sales Cloud | パートナーリレーションの管理 | パーソナライズしたセールスメールを使用したパートナーのコミュニケーションの合理化 |
Service Cloud | Einstein 会話マイニング、サービス返信、作業概要 | Einstein for Service |
Service Cloud | 作業概要 | Einstein 作業概要を使用した通話および拡張メッセージセッションの迅速なラップアップ |
Salesforce製品全般に関する注目のアップデート
すべての組織でMFAの自動有効化の完了
Salesforce では、2022 年 2 月 1 日から、Salesforce 製品にアクセスするすべてのお客様に多要素認証 (MFA) の使用が義務付けられています。
そのため、MFA の自動有効化リリース更新で本番組織の MFA を自動的に有効にしており、今回のリリースにてまだ自動有効化されていないすべての組織にMFAの自動有効化が適用されます。
参照:Salesforce Authenticatorとは?その必要性や導入手順、トラブルシューティングに至るまでをわかりやすく解説【必読】
まとめ
Spring’24でも数多くのアップデートがありました。すべてのアップデートを追い切ることは難しいかと思うので、皆さまのご利用の製品についてのアップデートを中心に、本記事やオフィシャルのリリースノートも参考に現場での活用を行いましょう。
ストラではマーケティング戦略から実行支援まで一貫したコンサルティング支援や、Salesforce・Account Engagement(旧 Pardot)の設計導入はもちろん、なかなか活用が進まない企業様に対しての活用コンサルティングを提供しております。マーケティング活動やSalesforce製品の導入、活用支援にお困り事ございましたら、こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。