Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceの違いをわかりやすく解説!定義から共通点・費用と導入の注意点まで解説
この記事でわかること
- Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceの定義と役割
- Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceの違いと共通点
- Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceの費用
- よくあるAgentforce for Sales・Agentforce for Service導入失敗の原因と解決策
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
Salesforceの導入や活用のお困りごとはプロにご相談ください
- Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceのどちらが自社に適しているのか判断できない
- 利用人数や会話数を踏まえた導入費用・運用費用の目安が分からない
- データ整備や業務フローの見直しなど、導入前に何から準備すべきか分からない
Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceは、どちらもSalesforce上で活用できるAIエージェントですが、目的や対象業務が異なります。「営業向けとサポート向けの違いが曖昧」「自社ではどちらを選ぶべきか分からない」「費用の考え方も比較したい」と悩む方も多いのではないでしょうか。
先に結論を述べると、営業プロセスを前に進めたい場合はAgentforce for Sales、問い合わせ対応や顧客サポートの解決力を高めたい場合はAgentforce for Serviceが適しています。
なおAgentforceはユースケースや導入形態に応じて、Flexクレジット、会話単位の従量課金、ユーザー単位のライセンスなど、複数の価格体系が案内されています。
Agentforce for Salesでは営業担当者の利用人数や支援範囲、Agentforce for Serviceでは顧客対応における会話数や利用規模などによって費用が変わるため、導入前には最新の公式価格を確認することが重要です。
本記事では、Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceの定義や違い、共通点、費用の考え方、導入で失敗しやすい原因と対策まで解説します。読み終えるころには、自社の営業部門・カスタマーサポート部門でどちらを優先すべきか判断できる状態になっているでしょう。
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目次
Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceの定義と役割を正しく理解する

Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceの違いを理解するためには、まずそれぞれがどのような目的で設計されたAIエージェントなのかを把握することが重要です。どちらもSalesforceのAgentforce基盤上で動作しますが、解決する課題や利用する部門、成果として期待される指標が異なります。
本章ではAgentforce for SalesとAgentforce for Serviceの定義と役割を整理し、それぞれがどのような業務を支援するのかを解説します。
Agentforce for Salesの定義と役割
Agentforce for Salesは営業活動を支援し、見込み顧客の獲得から商談化、受注までのプロセスを前進させることを目的としたAIエージェントです。営業担当者の代わりに一部のコミュニケーションや情報収集を実施し、営業活動の効率化と成果向上を支援します。
営業現場では見込み顧客への初回対応やフォローアップ、商談準備などに多くの時間が費やされます。Agentforce for Salesはこれらの業務を自動化・支援することで、営業担当者が商談や提案活動に集中できる環境を作ります。
例えば問い合わせ内容に応じた初回返信の実施や商談に必要な顧客情報の整理、次に取るべきアクションの提案などを行うことが可能です。そのため商談化率の向上や営業サイクルの短縮、営業生産性の改善といった成果が期待できます。
Agentforce for Salesは「営業活動を前に進めるためのAIエージェント」と理解すると分かりやすいでしょう。
Agentforce for Serviceの定義と役割
Agentforce for Serviceはカスタマーサポートやカスタマーサービス業務を支援し、顧客からの問い合わせ解決を効率化するためのAIエージェントです。問い合わせ受付から回答、ケース処理までの流れを支援し、顧客体験の向上とサポート部門の負荷軽減を実現します。
サポート部門では問い合わせ件数の増加や担当者ごとの対応品質のばらつきが課題になりやすくあります。一方でAgentforce for Serviceは、蓄積されたナレッジやケース履歴を活用しながら、顧客への回答やオペレーター支援を行います。
例えば顧客からの質問への自動回答や問い合わせ内容の分類、ケース要約の作成、担当者への対応案提示などを実施できます。これにより一次解決率の向上や平均対応時間の短縮、顧客満足度の改善につなげることが可能です。
Agentforce for Serviceは「問い合わせ解決を前に進めるためのAIエージェント」と捉えると理解しやすくなります。
Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceの違いと共通点を整理する

ここまでで、それぞれのAgentforceが担う役割について理解できたと思います。次に重要なのが、「結局どちらを選ぶべきなのか」という視点です。
Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceは同じAgentforceファミリーに属するAIエージェントですが、目的や活用シーン、成果指標には明確な違いがあります。一方で、Salesforce上で動作するAIエージェントという共通点もあり、導入や運用において共通して押さえるべきポイントも存在します。
まずは違いを整理し、その後に共通点を確認していきましょう。
Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceの違いとは
Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceの最も大きな違いは「何を前進させるためのAIなのか」にあります。
Agentforce for Salesは営業プロセスを前進させることを目的としており、見込み顧客への対応や商談創出、営業担当者の活動支援を行います。一方でAgentforce for Serviceは問い合わせ解決を前進させることを目的としており、顧客サポートやケース管理の効率化を支援します。
そのため営業組織の成果向上を目指す場合とサポート品質の向上を目指す場合では選択すべき製品が異なります。
導入によって得られる効果の違い
Agentforce for Salesを導入した場合に期待できる効果は、営業成果の向上です。営業担当者がこれまで対応していた初回接触やフォローアップ業務をAIが支援することで、商談創出数の増加や営業サイクルの短縮につながります。
また営業担当者ごとの対応品質を標準化しやすくなるため、属人化の解消にも役立ちます。結果として、商談化率や受注率、営業生産性などの改善が期待できます。
一方でAgentforce for Serviceが目指すのは、顧客対応品質の向上です。問い合わせ対応の自動化やオペレーター支援によって、一次解決率の向上や平均対応時間の短縮を実現できます。
さらに担当者ごとの回答品質のばらつきを抑えやすくなり、顧客満足度向上にもつながります。
業務への関与範囲の違い
両者はAIが関与する業務範囲にも違いがあります。Agentforce for Salesは営業活動に関連するタスクを中心に支援します。例えば問い合わせ内容の分析、見込み顧客への初期対応、営業担当者への次アクション提案、商談準備に必要な情報整理などが対象です。
一方でAgentforce for Serviceは、顧客サポート業務を中心に支援します。問い合わせ内容の分類やナレッジ検索、回答案作成、ケース要約、担当者へのエスカレーション支援などが主な役割です。
Agentforce for Serviceは問い合わせ受付から解決までの流れを効率化することに重点が置かれているため、同じAIエージェントであっても支援対象となる業務フローは大きく異なります。
Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceの共通点とは
ここまで違いを中心に解説してきましたが、Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceはまったく別の製品というわけではありません。
どちらもSalesforceが提供するAgentforceプラットフォーム上で動作するAIエージェントであり、導入・運用において共通する考え方が数多く存在します。
違いだけでなく共通点も理解することで、より適切な導入判断ができるようになります。
Salesforce上で動くAIエージェントである
両者に共通する最大の特徴は、SalesforceのCRMデータを活用して動作するAIエージェントであることです。
一般的な生成AIツールは業務データと分離して利用するケースが多いですが、AgentforceはSalesforce上の顧客情報や商談情報、ケース情報、ナレッジデータなどと連携しながら動作します。
そのため営業担当者やサポート担当者は別システムへ移動することなく業務を進めることができます。また、Salesforceの権限設定やセキュリティポリシーを引き継ぐため、ガバナンスを維持しながらAI活用を進めやすい点も特徴です。
業務の生産性と品質を上げる目的を持つ
Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceは対象業務こそ異なりますが、目指す方向性は共通しています。
どちらも人の作業を単純に置き換えることが目的ではありません。担当者がより付加価値の高い業務に集中できるようにしながら、業務品質の標準化と生産性向上を実現することを目的としています。
営業部門であれば商談活動への集中、サポート部門であれば複雑な問い合わせ対応への集中を実現できるため、限られた人員でもより高い成果を目指せるようになります。
データ整備・権限設計・運用が成果を左右する
Agentforce導入を成功させるうえで欠かせないのが、データ整備と運用設計です。
どれだけ高度なAIを導入しても、顧客情報やナレッジが整理されていなければ適切な回答や提案はできません。また権限設定が不十分な場合には、本来参照すべきでない情報へアクセスしてしまうリスクも発生します。
データの整理の仕方、データの入れ方を知りたい人向けにStrhはナレッジ記事を公開しているので、データ整理について知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
【完全ガイド】Salesforceのナレッジとは?公開設定や活用Tipsなど使い方を解説 | Strh株式会社(ストラ)
Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceの費用まとめ
Agentforceの導入を検討する際、多くの企業が気になるのが費用です。ただしAgentforce for SalesとAgentforce for Serviceでは費用の考え方が異なるため、単純にライセンス価格だけを比較しても正しい判断はできません。
重要なのは自社でどの程度利用するのか、どの業務をAI化するのかを踏まえて費用を試算することです。またライセンス費用だけでなく導入設計やデータ整備、運用改善にかかるコストも考慮する必要があります。
本章ではそれぞれの費用の考え方と見積もり時のポイントについて解説します。
Agentforce for Salesの費用の考え方
Agentforce for Salesを検討する際は営業活動の中でどれだけAIとの会話や処理が発生するかを基準に考えることが重要です。
営業活動では見込み顧客への問い合わせ対応やメール返信、商談前の情報収集など、さまざまな場面でAIが利用されます。そのため、利用頻度が高い企業ほど費用も増加する傾向があります。
例えば毎月多くのリードを獲得している企業の場合、初回問い合わせ対応やフォローアップの回数が増えるため、Agentforceの利用量も増加します。一方で既存顧客中心の営業組織であれば、利用量は比較的抑えられる可能性があります。
またAgentforce for Salesによって創出される商談数や営業工数削減効果まで含めて評価することで、単なるコストではなく投資対効果の観点から導入判断がしやすくなります。
Agentforce for Serviceの費用の考え方
Agentforce for Serviceは問い合わせ対応やサポート業務を対象とするため、サポート体制全体を踏まえて費用を考える必要があります。
問い合わせ件数が多い企業ほどAI活用による効果が大きくなる一方で、対応範囲によって必要な費用も変わります。例えばFAQ対応のみを自動化するケースと問い合わせ受付からケース処理まで幅広く活用するケースでは、必要な利用量や運用体制が異なります。
またすべての問い合わせを最初からAI化する必要はありません。まずは問い合わせ件数が多いカテゴリや定型的な対応業務から導入し、効果を確認しながら対象範囲を拡大する方法も有効です。
そのためAgentforce for Serviceでは「どれだけの問い合わせをAIに任せるか」という視点で費用対効果を考えることが重要になります。
ライセンス費用以外に考慮すべきコスト

Agentforce導入時に見落とされがちなのが、ライセンス以外の費用です。
実際にはAIエージェントそのものの費用だけではなく、成果を出すための準備や運用にもコストが発生します。
代表的なものとして、データ整備やナレッジ構築、権限設計、業務フロー見直し、社員教育などがあります。特にAgentforceはCRMデータやナレッジを活用する仕組みであるため、元となるデータ品質が少ない、項目に対して値がバラバラなどの場合は改修作業が必要になります。
また導入後も利用状況や回答精度を確認しながら継続的に改修していく運用体制が欠かせません。
そのためAgentforceの費用を考える際はライセンス価格だけを見るのではなく、導入から定着化まで含めた総コストで判断することが重要です。
よくあるAgentforce for Sales・Agentforce for Service導入失敗の原因と解決策

Agentforceは営業やカスタマーサポート業務の効率化に大きな効果が期待できる一方で、導入すれば自動的に成果が出るわけではありません。実際には期待していた効果が得られなかったり、現場に定着しなかったりするケースも少なくありません。
特にAgentforce for SalesとAgentforce for Serviceは業務プロセスそのものに関わるため、導入前の準備や運用設計が成果を大きく左右します。
本章では多くの企業で見られる導入失敗の原因とその解決策について解説します。
AI導入自体が目的化してしまう
Agentforce導入で最も多い失敗の一つが、AIを導入すること自体が目的になってしまうケースです。
生成AIやAIエージェントへの注目度が高まっていることから、「まずは導入しよう」という判断になりやすい傾向があります。しかし、解決したい業務課題が明確でない状態では、導入後に成果を測定できず、投資対効果も見えにくくなります。
例えば営業部門であれば商談化率向上や営業工数削減、サポート部門であれば一次解決率向上や対応時間短縮など、具体的な目標を設定することが重要です。
Agentforceを導入する前に「どの指標を改善したいのか」「どの業務課題を解決したいのか」を明確にすることで、導入後の成果検証や改善活動も進めやすくなります。
業務フローとAI活用が噛み合っていない
AI活用に適した業務を選定できていないことも、失敗につながる大きな要因です。
Agentforceは一定のルールやデータに基づいて業務を実行します。そのため業務プロセスが標準化されていない状態では期待した成果を得ることが難しくなります。
例えば営業担当者ごとに対応方法が大きく異なる場合や問い合わせ対応の判断基準が担当者依存になっている場合は、AIが適切に支援できない可能性があります。
その時はまず業務フローを可視化し、標準化できる部分と人の判断が必要な部分を整理することが重要です。
Agentforceは業務を整理した上で活用することで効果を発揮します。業務改革を行わずにAIだけを導入しても、十分な成果は期待できません。
初期設計を丸投げしてしまう
導入パートナーやベンダーへすべて任せてしまうことも失敗の原因になります。
もちろん技術的な設計や構築は専門家の支援が有効ですが、自社の業務課題や現場の運用ルールまで外部企業が完全に理解することは困難です。
例えば営業部門が重視するKPIや問い合わせ対応時の判断基準、例外処理の考え方などは、自社が主体的に整理する必要があります。
導入プロジェクトでは自社側がこれらの内容を明確に持つことが重要です。目的や対象業務、成功指標、運用ルール、例外対応の方針が曖昧なまま進めると完成後に「現場で使えないシステム」になってしまう可能性があります。
Agentforce導入を成功させるためにはベンダー任せではなく、自社とパートナーが協力しながら設計を進めることが重要です。
定着化・改善運用が行われない
Agentforceは導入後の運用によって成果が大きく変わります。しかし実際には導入後の利用状況を確認せず、改善活動も行われないまま運用されるケースが少なくありません。その結果、現場の利用率が下がり、期待していた効果を得られなくなります。
特に現場では「AIの回答を信用できない」「使い方が分からない」「従来のやり方の方が早い」といった理由で利用が進まないことがあります。
こうした状況を防ぐためには利用率や回答精度、業務成果を定期的にモニタリングし、改善を継続する仕組みが必要です。また現場への教育や成功事例の共有を行いながら、利用価値を実感してもらうことも重要になります。
Agentforceは導入して終わりではなく、継続的な改善によって価値を高めていく仕組みが大切です。長期的な運用体制を整えることで、営業成果や顧客満足度向上といった本来の効果を最大化できます。
まとめ
Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceは、どちらもSalesforce上で利用できるAIエージェントですが、目的や活用領域が大きく異なります。
Agentforce for Salesは営業活動を前進させることに特化しており、商談創出や営業生産性向上を支援します。一方Agentforce for Serviceは問い合わせ解決や顧客サポート業務の効率化を目的としており、対応品質向上や顧客満足度向上に貢献します。
どちらを選ぶべきかは自社が解決したい課題によって決まります。営業成果を高めたい場合はAgentforce for Sales、サポート品質を向上させたい場合はAgentforce for Serviceが適しています。また導入効果を最大化するためにはデータ整備や運用設計、継続的な改善活動も欠かせません。
自社に最適なAgentforceの選定や導入方法に迷っている場合は、Salesforceと業務プロセスの両方に精通した専門パートナーへ相談することをおすすめします。事前に要件整理や費用試算を行うことで、導入後の失敗リスクを大幅に減らすことができます。
また、ストラのSalesforce導入支援や定着化支援、開発支援について、さらに詳しく知りたい方はこちらのページで紹介しています。
Salesforceの導入や活用のお困りごとはプロにご相談ください
- Agentforce for SalesとAgentforce for Serviceのどちらが自社に適しているのか判断できない
- 利用人数や会話数を踏まえた導入費用・運用費用の目安が分からない
- データ整備や業務フローの見直しなど、導入前に何から準備すべきか分からない
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。
▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloudアドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagementスペシャリスト
Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagement コンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント
Salesforce認定Data Cloudコンサルタント
