F2転換とは?定義や業界別鉄板施策、改善方法などを徹底解説

この記事をシェアする

x facebook
F2転換とは?定義や業界別鉄板施策、改善方法などを徹底解説

この記事でわかること

  • F2転換とは何か
  • F2転換の算出方法と業界別の平均値
  • F2転換率の低下原因と改善方法
  • F2転換の成功事例と業界別アプローチ

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

マーケティングについてのお困りごとはプロにご相談ください

  • 顧客のリピート率が低い
  • 新規顧客数は多いはずなのに、売上が伸びない
  • 自社に合った指標が分からない
このようなお困りごとがありましたら、ぜひとも私たちStrhにご相談ください。マーケティングやCRM・MA・CDP等のマーケティングテクノロジーに精通したコンサルタントが、御社に最適なソリューションをご提案させていただきます。まずはお気軽にお問合せください。 F2転換についてまずは相談する

「新規顧客は増えているのに、なぜか売上が伸びない…」

そんな悩みを抱えるEC事業者は少なくありません。特に多くのEC事業社が直面するのは、“F2転換”の壁です。F2転換とは、初回購入(F1)から2回目購入(F2)へと顧客を移行させるプロセスを指し、LTV(顧客生涯価値)向上において極めて重要なステージです。

実際、F1→F2での離脱率が最も高いと言われており、この部分を最適化することが広告効率の改善やリピート率の底上げ、継続的な売上成長に直結します。

本記事ではF2転換の基本定義から、計算式、業界別平均値、F2転換を妨げる要因、改善アプローチ、そして成功事例までを網羅的に解説します。マーケティング担当者が「次に取り組むべきこと」が明確になる内容となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

参照:【初めてのデータ分析】ビジネスマン必須スキル!知っておきたいデータ分析の基本

目次

F2転換とは何か?基本の考え方と重要性

ECサービスにおいてLTV(顧客生涯価値)の最大化を目指す上で、もっとも初期に向き合うべき重要指標が「F2転換」です。F2転換とは、初回購入(F1)を完了した顧客が2回目の購入(F2)に至るまでのプロセスを指し、いわば「リピートの最初の壁」とも言えます。このステップをいかにスムーズに乗り越えさせるかが、その後の継続購入やファン化、最終的な売上の安定に直結します。

ここではF2転換の定義や他フェーズとの違い、KPIとしての位置づけと意義について詳しく解説します。

F2転換の定義とF1・F3との違い

まずはF1やF2、F3の言葉の定義やそれらの違いについてご紹介します。

F1・F2・F3の基本用語と段階の意味

ECにおける購買フェーズは、以下のように分類されます。

  • F1(First Purchase):初回購入したユーザー
  • F2(Second Purchase):2回目購入を完了したユーザー
  • F3(Third Purchase)以降:継続して購買しているユーザー
ECにおける購買フェーズ

このようにF2は単なる「2回目の購入」ではなく、リピーターとしての第一歩を踏み出した顧客を意味します。F1〜F3の各段階には意味があり、特にF2は「1→複数」への分岐点として非常に重要です。

F2は「初回購入から2回目購入までの壁」を指す

多くのECサービスでは、「初回購入の壁(CV)」に注力しがちですが、F2転換はその後に直面する“本当の壁”です。なぜなら、初回購入時のモチベーションは割引や広告による一時的なものである場合が多く、継続購買にはつながりにくいからです。

F2の段階で離脱してしまうとLTVの最大化どころか、CPA(顧客獲得単価)を回収することさえ困難になります。

F2転換率のKPIとしての位置づけ

F2転換率は、「初回購入ユーザーのうち、一定期間内に2回目購入に至った割合」を示す指標です。KPIとして設定することでマーケティング施策の即時性と効果の可視化が可能になります。

他のKPI(リピート率・LTV・CPA)との違いと使い分け

F2転換率はECサービスにおける「初動の最適化」を担うKPIです。これは、初回購入ユーザーがいかにして2回目の購入に至ったかを明らかにする指標であり、特に広告施策や初期オンボーディング体験の効果を見極める上で非常に有効です。

例えば、SNS広告で獲得したユーザーがF2に至らず離脱している場合、広告費は単なる「単発消費」で終わってしまいます。一方で、F2転換率が高ければCPA(顧客獲得単価)の回収スピードが上がり、LTV(顧客生涯価値)への滑らかな導線が整っていると判断できます。

ここで、よく比較される/合わせて確認される他のKPIとの違いを整理しておきましょう。

■F2転換率

「短期の改善指標」。初回購入から“次のアクション”に繋がったかを測ることで、広告施策・UI・購入後フォローの即効性の検証が可能です。また、CRMやメール施策の設計根拠にもなります。

■リピート率

「中長期的な関係性の指標」。F3(3回目購入)やF4といった継続購買全体の定着度を測ります。F2転換後のフォローが適切に機能しているかの“答え合わせ”に用いられることが多いです。

■LTV(顧客生涯価値)

「経営視点での最終ゴール」。売上インパクトを最大化するための指標であり、F2を超え、定期的に購入するユーザーをどれだけ多く育てられるかが鍵となります。F2転換はその起点に位置します。

参照:LTV(ライフタイムバリュー)とは?顧客生涯価値の意味から向上施策まで解説

■CPA(顧客獲得単価)

「投資効率の評価指標」。広告などの費用に対してどれだけの利益を生み出せたかを示します。F2未達が多ければCPAの回収が難しくなり、結果としてマーケティングROIが悪化します。

これらのKPIをフェーズごとに適切に使い分け連動させることで、施策の粒度が明確になり、マーケティングの意思決定精度が高まります。

F2転換率のKPIとしての設定メリットと施策活用の基準

F2転換率をKPIとして定点観測する最大のメリットは、「どこに課題があるか」を可視化しやすいことにあります。リピート施策全体を対象とすると「打ち手が広すぎて何が効いたのか分からない」となりがちですが、F2に絞ることで施策の評価軸が明確になります。

また、その他にも以下のような実務上のメリットが考えられるでしょう。

施策単位で「初回→F2」の効果検証ができる

たとえば、初回購入者に対するフォローメールやLINE配信を実施した場合、「配信後7日以内のF2率が上がったか?」といった形で効果測定が可能になります。これにより感覚ではなく数字で意思決定ができる環境が整います。

新規ユーザーの“質”をチャネル別に評価できる

同じ新規獲得でもInstagram広告経由とリスティング広告経由では、その後のF2転換率に差が出ることがあります。F2転換を軸に分析すれば、「単価は高いがF2率が高くCPA回収が早いチャネル」に投資集中するといった、効率的なチャネル戦略が立てられます。

顧客フォローや導線設計のPDCAが回しやすくなる

「初回購入から何日後にどんな訴求をすべきか?」といったフォロー施策は、F2率の変動を見ながらタイミングや内容を調整することで磨かれていきます。F2をKPIとすることで、CRMやMAの施策立案も理論的・実験的に行いやすくなります。

つまりF2転換率は単なる「計測値」ではなく、「戦略と施策をつなぐ“接続点”」としての役割を果たします。

F2転換が重要とされる理由とは

ECサービスにおいてF2転換が注目される理由はシンプルです。最も多くの顧客が離脱する「最初の壁」だからです。新規顧客を獲得しただけではビジネスは伸びません。F2を乗り越えられるかどうかがLTVの分水嶺となり、広告費の回収や中長期的な利益構造を大きく左右します。

ここでは、F2がなぜマーケティング上の“最優先指標”として注目されているのか、データ・収益構造・CVR(コンバージョン率)の観点から多角的に解説します。

初回購入者の大半は2回目で離脱している現実

フェーズ別離脱率

業界全体の平均を見ると初回購入者のうち、F2に至るユーザーは約20〜40%に留まるとされます。つまり、過半数の顧客は一度きりの購入で離脱しているというのが現実です。

特に広告による新規流入が主軸のECサービスでは、“安価な初回商品”や“割引特典”によって獲得した顧客がそのままファンにならずに離脱するケースが多いです。この構造は見かけ上のCV(初回購入)を増やしても、利益には結びつかない“薄利構造”を生み出します。

広告費(CPA)の観点から見た投資効率の低下

F2転換が起きないままユーザーが離脱すると、投資した広告費の回収ができず赤字化リスクが高まります。仮に1ユーザー獲得にCPAが4,000円かかっていたとしましょう。初回商品が3,000円で利益が500円だとすると、初回購入だけでは確実に赤字です。

この赤字は、2回目以降の購入によってようやく回収できる前提に立っています。つまり、F2転換が成立しなければマーケティングROIは成立しないのです。

特にCPAが上昇傾向にある昨今の広告環境では、F2転換を軽視することは“穴の空いたバケツに水を注ぐ”のと同義です。

初回購入からF2が最もCVR改善に寄与しやすい

F2転換は、CVR(コンバージョン率)改善の即効性が最も高いステージでもあります。

F1(初回)ユーザーはすでに「購買体験」を1回通過しているため、UIや配送、梱包、商品満足度といったUXの影響をリアルに体感しています。この段階で「期待通りだった」「使いやすかった」「再度買いたいと思えた」と思わせることができれば、2回目への移行ハードルは格段に下がります。

また、2回目購入に向けたマーケティング施策(例:フォローメール・クーポン・おすすめ商品のリマインドなど)も、ユーザーの購入履歴をもとにパーソナライズされた訴求が可能となり、CVRの改善余地が非常に大きいのです。

F2転換とLTV・広告効率の関係性

F2転換は単なる“リピート獲得施策”ではなく、ECビジネスの利益構造を根底から変えるレバレッジポイントです。多くのマーケターは新規獲得の数字ばかりに注目しがちですが、LTV(顧客生涯価値)の向上やCPA(顧客獲得単価)の回収効率を本質的に改善するには、「F2の通過率」を上げることが最も費用対効果が高い打ち手となります。

ここでは、F2転換がLTVや広告効率に与える影響をモデルと事例を交えて詳しく解説します。

F2転換率の改善がLTVに与えるインパクト

LTVは以下の3要素で構成されます。

  • 購買単価
  • 購買頻度
  • 継続期間(継続率)

F2転換はこのうちの「購買頻度」「継続率」に直接的に関与します。F1で終わった顧客はLTVが一度で打ち止めになりますが、F2を突破すればその後の複数回購入への道が開かれ、LTVは2倍・3倍に伸びる可能性が出てきます。

たとえば、以下のようなケースを想定してみてください。

  • F1での単価:4,000円、利益率:25%
  • F2を超えた顧客の平均継続回数:4回
  • F2突破率が20% → 30%に改善した場合

この改善により、同じ広告投資額で得られる総利益額が約1.5倍以上に増加する可能性があるのです。これはF2突破によって「単なるCPA回収」から「LTV最大化」へと企業価値がシフトすることを意味します。

広告投資の回収効率を左右するF2の役割

F2転換率はCPA(顧客獲得単価)の回収速度を決定づける最大因子です。初回購入のみで終わってしまうと、CPA回収が数千円単位で“未回収”のままとなり広告費用対効果が悪化します。

一方で2回目購入が発生すれば、広告費の一部が回収されるだけでなく、その後の「指名買い」「キャンペーン非依存の購入」へとつながる可能性が一気に高まります。

実際に多くのD2C企業では「CPAが高騰した場合、F2転換率をいかに早期に改善するか」が事業黒字化の鍵となっています。短期施策として「F2シナリオ設計」が重要視されるのは、まさにこのためです。

F2転換率の算出方法と業界別平均値

F2転換をKPIとして活用するにはまず正しく「測定できる」状態を作ることが欠かせません。ここではF2転換率の定義と計算式やデータ収集方法、そして業界平均との比較を通じて、読者自身が自社のF2を診断できる状態に導いていきます。

F2転換率の基本的な計算式

まずはじめにF2転換率の基本的な計算式からご紹介します。

| F2転換率(%)= F2購入者数 ÷ F1購入者数 × 100

ここでいうF1購入者数とは「指定した期間内に初めて購入したユーザーの数」、F2購入者数は「その後、同一ユーザーが2回目の購入をした数」です。

例:

  • ある月にF1購入者が 1,000人
  • その後、2回目購入に至ったF2ユーザーが 350人

この場合F2転換率は 35% となります。

F2転換率の計算式と具体的な数値例

実際の数値を用いて理解を深めましょう。F1に対してF2が何%だったかを追うことで、施策の成果を時系列で検証できます。また、特定施策を導入した月に転換率が上昇したかを確認することで、PDCAの基盤にもなります。

例:

F1購入者数F2購入者数F2転換率
1月1,000人350人35%
2月800人240人30%
3月1,200人420人35%

F2転換率の業界平均と目安

F2転換率は業界や商材、価格帯によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。この数字を参考に自社のF2転換率が業界の水準に対して高いか低いかを把握し、必要に応じて施策を再設計する材料にしましょう。

業界平均F2転換率(目安)
アパレル約25〜35%
食品・サプリ約30〜45%
美容・コスメ約20〜30%
日用品・消耗品約35〜50%

F2転換率の目標値をどのように設定すべきか

目標値は単純に「業界平均を超えること」だけではありません。自社のビジネスモデル・広告費・粗利率などを加味した「CPA回収ライン」や「黒字転換点」を軸に目標を逆算することが重要です。

たとえば単純化したこのケースの場合、F2転換率が30%を超えればCPAを回収でき、黒字化が見えてくるという計算が可能になります。

  • CPA:4,000円
  • F1時の利益:500円
  • F2以降の平均利益:1,500円/回 × 2回分

業界別でF2転換率が高い/低い理由の考察

F2転換率は業界によって大きなばらつきがあります。その背景には商品特性や消費サイクル、購買意思決定のプロセスの違いがあります。F2率が高い=優れている、低い=悪いと単純に判断するのではなく、自社の属する業界が本来持つ構造的な特性を理解したうえで、F2施策の目標水準や設計方針を調整する必要があります。

まず、F2転換率が比較的高くなる傾向にあるのが、食品や日用品といった消費サイクルの短い商材を扱う業界です。これらは「なくなる前にもう一度買おう」という自然な購買行動が起きやすく、F2へつながる可能性が高くなります。

賞味期限がある商品や日常的に使う洗剤やトイレットペーパーなどは、再購入のタイミングが明確でかつ定期便やセット販売といった再訪導線の設計がしやすいため、F2率が相対的に高くなる傾向があります。

一方で美容・コスメや高価格帯の耐久消費財などを扱う業界では、F2転換率が比較的低くなる傾向が見られます。これらは購入サイクルが長く顧客が効果を実感するまでに時間がかかるため、F2までのハードルが高くなる構造があります。

加えて、購入判断においては「ブランドの世界観」や「共感」「信頼感」が大きく作用するため、初回購入後すぐに再購入へつなげるには、レビュー・体験談・動画コンテンツなど、ストーリーテリング要素のあるコミュニケーションが不可欠になります。

このようにF2転換率はただ数値として比較するのではなく、業界特性や商品カテゴリーの構造を踏まえたうえで“適正水準”を見極め、戦略設計の出発点とするべき指標です。まずは自社の業界がどのような消費傾向を持つかを把握した上で、実現可能かつ利益につながるF2施策の設計を行いましょう。

F2転換率の算出に必要なデータとは

F2転換率を正確に算出するには数式を理解するだけでは不十分です。現場では「どのデータを、いつ、どこから、どうやって取得するか?」という点が明確でなければ、数値の精度が揺らぎ改善施策の根拠として使えなくなってしまいます。

ここからはF2転換率の算出に必要なデータの種類と、CRM・分析ツールを使った実務的なデータ抽出の方法、さらには集計期間の設計ポイントについて解説します。

F2転換率算出に最低限必要なデータ(初回購入数・2回目購入数)

F2転換率を算出するためには、以下の2つのデータをセットで取得することが必須です。

  • 初回購入者数(F1):指定した期間内に「初めて購入したユーザーの数」
  • 2回目購入者数(F2):その後、2回目の購入を行ったユーザーの数

注意したいのは、「F1購入者数」と「F2購入者数」は同一の観測母集団(=同じユーザー群)に対して測定しなければならないという点です。

たとえば「2025年1月のF1購入者」を対象とするなら、F2も「2025年1月にF1となったユーザーが、以降〇日以内に再購入した数」として集計する必要があります。

また「F2転換率=売上」ではないため、金額ベースではなくユニークユーザー数ベースでの集計が求められます。

算出のタイミングと集計期間の設計ポイント

F2転換率は購買から再購買までの“観測期間”をどう設定するかによって、数値が大きく変動します。そのため算出時の「期間設計」と「更新頻度」には一貫性が必要です。

一般的な集計設計のポイントは以下の通りです。

  • 観測期間の目安:F1からF2までの経過日数は「30日〜60日」を1つの基準とする(商材によって調整)
  • 更新頻度:週次または月次での定点観測が望ましい(KPIとしての活用を前提に)
  • 除外条件:F2の意図がないキャンセル・返品・サンプル購入などは母集団から除外する

たとえば「今月F1になった人のF2達成率を来月測る」といった形で、F1→F2までのタイムラグを考慮した集計設計が求められます。また、施策を行った期間と観測期間が重なってしまうと因果関係が不明瞭になるため、時系列の整理とログの精査は欠かせません。

参照:【初めてのデータ分析】ビジネスマン必須スキル!知っておきたいデータ分析の基本

F2転換率が低下する主な原因と改善アプローチ

「F2転換率がなかなか上がらない」「何を改善すべきか分からない」

こうした課題に直面しているEC担当者は少なくありません。しかしF2に至らない理由の多くは、顧客視点の「購入体験のつまずき」や「訴求のタイミングのズレ」といった、意外と見落とされやすい要因に起因しています。

ここからはF2を妨げる主な要因と、それに対する具体的な改善策についてユーザー体験・商品設計・マーケティング施策の3つの観点から整理して解説します。

F2転換を妨げるユーザー体験の課題

F2転換が起きない理由の多くは、「顧客が2回目の購入をしたくなるだけの体験価値を提供できていない」ことにあります。以下のようなUX/UIの課題はF2転換率を大きく低下させる要因となります。

  • サイト導線が複雑で、再訪してもどこから商品を買えばいいか分からない
  • 購入履歴やお気に入り商品が分かりにくく、再注文のハードルが高い
  • 初回配送が遅い、梱包が雑、問い合わせ対応が遅いなど、不満が蓄積される

特にスマートフォンからのアクセスが主流となった今、モバイルUXの最適化はF2転換率に直結します。再訪時に「もう一度ここで買おう」と思わせる体験設計を、購入直後から逆算して構築することが重要です。

商品構成や初回購入導線に潜む改善ポイント

F2につながりにくい商品構成には、以下のような問題が潜んでいます。

  • 初回購入商品が“使い切り型”でないため、すぐに再購入の必要性が生まれない
  • 次に買うべき商品が提示されず、「何を買えばいいのか」が分からない
  • 初回購入特典が強すぎて、2回目購入の魅力が感じられない

たとえばトライアルセットで初回CVを取った場合、そのまま本商品への導線がなければF2には至りません。F2転換を促進するためには、初回商品の設計段階から「次に何を買ってもらうか」までを考えた商品ラインナップと導線設計が必要です。

F2転換率改善でよくある失敗と解決策

F2転換率改善の取り組みでは、以下のような「よくある失敗」が見られます。

よくある失敗具体例解決アプローチ
タイミングが遅い購入から2週間以上経ってからフォローメールを送る購入3日後/7日後/14日後など段階的に配信し、タイミングを細かく設計する
訴求が一方的一律で「おすすめ商品」を紹介してしまう購買履歴や属性に応じたレコメンド配信に切り替える
ユーザーを放置購入後、何のフォロー施策もないサンクスメール→レビュー依頼→クーポン提示など、フェーズに応じたフォロー導線を整える

改善のポイントは「ユーザーが次のアクションを迷わず取れるようにすること」です。F2転換は、“再購入の意思”よりも“再購入の設計”で決まるといっても過言ではありません。

F2転換率を改善するための具体施策

F2転換率の向上はマーケティング全体のROIやLTVに大きな影響を及ぼします。

特にECサービスにおいては、「購入体験の満足度 × 購入後のコミュニケーション設計」がF2突破の成否を分ける重要要素です。ここでは、F2転換率を改善するための主要施策をCRM・メール・インセンティブ・UI/UX・効果比較の観点から実践的に解説します。

CRM・MAツールを活用した顧客フォロー

F2転換を強化するうえで、CRMやMA(マーケティングオートメーション)ツールは欠かせません。特に初回購入直後からのタイムラインに沿ったアプローチが効果的です。

購入タイミングに応じた配信シナリオの設計

施策例:購入タイミングに応じた配信シナリオの設計

  • 購入3日後: お礼+商品活用ガイド(利用方法・保管法など)
  • 購入7日後: レビュー依頼やカスタマーフィードバックの収集
  • 購入14日後: 関連商品のおすすめ+限定クーポンの配信
  • 購入30日後: リピート購入を後押しするストーリーコンテンツやレコメンド配信

このような段階的アプローチを組むことで、ユーザーとの関係性を維持しながら再購入のタイミングを逃さず促進できます。

初回購入者へのメールマーケティング

F2に至るために最も即効性のある手段が「メールマーケティング」です。初回購入後のサンクスメールだけでは不十分で、ユーザーの関心を維持し、行動につなげるコンテンツ設計が鍵を握ります。

■有効なメール施策の例

  • レビュー依頼メール: 購入者の声を集めることで、再訪時の信頼感を醸成
  • クロスセル提案: 関連商品やセット購入の提案
  • 再入荷/限定品の案内: リピーター特典として特別感を演出
  • ステップメール配信: シナリオ形式で継続的に訴求しながら関係性を深める

「あなたに合った提案」「使っている人の声」「次のアクションが明確に提示されているか」を意識し、一斉配信ではなくパーソナライズされた内容でF2に導くことが重要です。

参照:【マーケ担当者必読】メールマーケティングとは?メルマガとの違い、メリット・デメリット、具体的な手法等について解説

リピートを促す特典やタイミング設計

価格以外で購入ハードルを下げるためのインセンティブ施策もF2転換に有効です。

■よく使われる特典設計

  • 2回目購入限定の送料無料/割引
  • ポイント還元率の一時的なアップ
  • 次回購入時に使える“サンクス”クーポン
  • レビュー投稿による特典配布

また特典は“提示のタイミング”が重要であり、商品使用後〜次回需要発生前のタイミングで訴求するのが効果的です。定期便の前段階としての「一度お得にもう一回買ってもらう」設計が、F2転換を促す王道パターンとなります。

UI/UXの改善による再訪問促進

「使いやすさ」はリピート行動に直結します。特にスマホユーザーを前提にしたUI/UX改善はF2転換を支えるインフラ的要素です。

■改善施策の例

  • 購入履歴からワンクリック再注文ができる仕組み
  • 前回購入商品に基づくレコメンド表示
  • LINEログインやクイック決済など購入体験の簡素化
  • 商品ページ内のFAQ/レビュー表示の強化

ECサイト内で「探す手間」「比較のストレス」「購入ステップの煩雑さ」が存在すると、再訪しても離脱してしまう可能性が高まります。“次もここで買いたい”と思わせる体験設計がF2突破に直結します。

F2転換施策を比較する|コスト・効果・期間の視点

施策の選定にあたっては、コスト・実装工数・効果の出方(短期/長期)といった複数の軸で評価することが重要です。

施策カテゴリ実装コスト効果創出スピード備考
メール配信短期MA導入済であれば即運用可能
クーポン設計中期購入単価とのバランス設計が重要
CRMシナリオ構築中〜高中〜長期顧客理解とデータ活用が前提
UI/UX改善長期定着すれば大きな改善効果あり

このようにF2施策は一つの打ち手ではなく、目的・予算・リソースに応じて組み合わせて設計するべき総合戦略です。

F2転換率を向上させる業界別の鉄板施策

F2転換率を向上させる業界別の鉄板施策

F2転換のアプローチは「業界によって正解が異なる」のが実態です。商品単価、購入頻度、消費サイクル、ユーザー属性などが業界ごとに異なるため、共通施策をそのまま適用しても成果が出にくいケースもあります。

ここからは、アパレル・食品・美容・日用品といった代表的なEC業界を対象に、F2転換に効果的な“鉄板施策”を実践レベルで解説します。

アパレルECにおけるF2転換の鉄板施策

アパレルはトレンド性と更新頻度が高い一方で、サイズ・デザイン・季節要因といった選定ハードルがあり、F2転換をいかに自然に促すかが鍵となります。以下でアパレルECでのF2転換に効果的な「鉄板施策」をいくつかご紹介します。

新作先行案内メールによる再訪率の向上

初回購入後のユーザーに対して「会員限定で新作を先行公開」や「近日リリース予定アイテムの先行販売」をメールで案内する施策は、F2転換に非常に有効です。特にアパレルはトレンド感度が高いユーザーが多く、“誰よりも早く見たい・手に入れたい”という心理を刺激できます。

配信対象は「初回購入から7〜10日以内のユーザー」など、購入熱が冷める前のタイミング設計が効果的です。

スタイリング提案コンテンツの活用

購入商品の着こなし例やコーディネート提案をメールや商品詳細ページ上で自動配信することで、「次はどんなアイテムを合わせればよいか」が明確になります。

たとえば、ワンピースを購入したユーザーに相性の良いカーディガンや小物を提案することで、“使い方のイメージ”を具体化させ再購入意欲を喚起します。また、モデル着用素材やユーザー投稿を活用することで信頼性や実用性も高まります。

購入履歴に基づいたレコメンド配信

初回購入アイテムと関連性の高い商品を、ユーザーごとにパーソナライズして提案するレコメンド配信はF2転換率向上の王道施策です。たとえば、白シャツを購入したユーザーに「同じシリーズのパンツ」や「一緒に買われることが多いバッグ」を紹介することで、次に買う理由を自然に提示できます。

配信チャネルはメールに限らず、LINE・アプリPUSH・マイページのバナー表示など複数接点での設計が理想的です。

食品・サプリ系ECにおけるF2転換の鉄板施策

食品・サプリは使用・消費サイクルが比較的短く、リマインド設計と提案タイミングがF2転換率に直結します。以下で食品・サプリ系ECでのF2転換に効果的な「鉄板施策」をいくつかご紹介します。

賞味期限・使い切りタイミングに合わせたリマインド施策

食品やサプリは消費サイクルが明確なため、「そろそろ使い切る頃では?」というタイミングでのリマインド通知が有効です。たとえば30日分のサプリを初回購入したユーザーには、25日後にメールやLINEで「再注文はこちら」と通知することで、自然なF2導線を設計できます。配送履歴から個別にリマインドを最適化すれば、より高精度なリピート促進が可能です。

定期購入の提案タイミング設計

初回購入から一定期間後に「毎月自動で届く定期便なら送料無料&特典付き」といった訴求を行うことで、F2タイミングでの定期化誘導が実現できます。重要なのは商品の効果実感や使用満足の直後を狙って提案すること。

レビューがポジティブだったユーザーや使用完了が近づいたユーザーを対象に、段階的に案内する設計が理想です。

お試しトライアルセットからのステップアップ訴求

初回でトライアル商品を購入したユーザーには、本商品や大容量サイズへの「次のステップ提案」を必ず行うことがF2への近道です。訴求の際は「〇日間使っていただいた方にご案内」「今なら本商品が〇%OFF」など、タイミング・理由・特典の三拍子を揃えることが成果を左右します。体験満足度が高いうちに次の選択肢を提示することがポイントです。

美容・コスメ系ECにおけるF2転換の鉄板施策

美容・コスメは感性・信頼・実感に基づく購買行動が多く、「安心感」と「再訪理由の明確化」がF2成功の鍵です。以下で美容・コスメ系ECでのF2転換に効果的な「鉄板施策」をいくつかご紹介します。

使用感レビューや動画の活用

美容系商材は使用実感や他者の体験が購買判断に大きく影響します。F2転換施策としては、使用後のレビュー投稿依頼とあわせて他ユーザーの体験談を紹介するのが効果的です。

さらにブランド公式の「使い方動画」や「よくある質問」の紹介で購入後の不安を取り除き、安心感からの再購入を後押しできます。メールやマイページでの自動表示が理想です。

肌タイプ別の使い方提案メール

購入時に取得したスキンタイプ情報をもとに、「乾燥肌の方へおすすめの重ね使いテクニック」などパーソナライズした提案をすることで、「もっと活用してみよう」という意欲を引き出せます。

初回購入7〜10日後に「お悩み別活用法」「セットで使うと効果倍増」などの情報をタイミングよく届けることがF2転換の重要なトリガーになります。

リピート購入時限定クーポンの配布

再購入のきっかけ作りとして、「2回目購入者限定クーポン」や「レビュー投稿で次回〇円OFF」といったインセンティブの活用は非常に効果的です。

重要なのは「なぜ今、再購入すべきか」の理由を明確に示すこと。たとえば「前回の商品は残り1週間分程度です」などの使用状況に合わせた一言を添えることで、ユーザーの行動意欲が大きく変わります。

日用品・消耗品系ECにおけるF2転換の鉄板施策

日用品は継続性が高く、F2を超えればその後のリテンションにもつながりやすい商材です。定期性の意識付けと利便性の設計が重要です。

「なくなる頃」通知による定期性の提案

洗剤・トイレットペーパー・衛生用品など、“切らすと困る系”商材ではF2タイミングでのリマインドが特に有効です。初回購入日を基点に「前回から20日経過しました。そろそろ在庫は足りていますか?」といった通知をLINEやアプリPUSHで行うことで、ユーザーが“忘れていた再購入”を自然に行える環境を作ります。

セット販売・まとめ買い提案の強化

初回で単品購入したユーザーに対して、「次回は2個セットでお得に」「ストックが切れる前にまとめ買いがおすすめ」といった提案を行うことで、F2段階で単価アップ+離脱防止を同時に実現できます。特に「次回の注文で使えるセット割クーポン」を同封する施策は、紙媒体でもデジタルでも有効です。

アプリによる購買習慣の形成支援

自社アプリを活用できる場合はリピート履歴の可視化、ワンタップ再注文、プッシュ通知による定期化の促進など、F2支援の仕組みをアプリに集約するのが理想的です。

たとえば「次回購入まであと7日、今なら送料無料」などのタイムリーな訴求を行うことで、再購入行動が“習慣化”され、F2〜F3へとスムーズにつなげることができます。

F2転換の成功事例と業界別アプローチ

F2転換施策は理論だけでなく「実際に成果が出た事例」から学ぶことが最も効果的です。ここからはアパレル・食品など業種別に、どのような打ち手がF2転換率の改善につながったのかをBefore/Afterとあわせて解説します。ジャンル特性に応じたアプローチの違いや導入時の工夫も含め、貴社施策設計のヒントとしてご活用ください。

アパレル業界のF2転換成功事例

あるアパレルEC企業はF2転換率が業界平均の34%を下回る27%に留まっていたため、改善策としてMAツールを導入し以下の施策を実行することで、F2転換率が27%⇒45%まで増加し、LTVも1.2倍に伸長しました。

■商品カテゴリ別F2転換率分析

  • 初回購入商品ごとのF2転換率を分析し、特に「スカート」購入者のF2転換率が高いことを特定。

■F2転換タイミング分析

  • 「スカート」購入者のF2転換は購入後21日以内が多いことを把握。

■レコメンド施策の実施

  • スカート購入者に対し、購入10日後にトップスのレコメンドメールを配信。
  • 10日間限定のクーポンを提供し、期限切れ直前にリマインドメールを送信。

食品業界のF2転換成功事例

食品通販業においては初回購入商品との関連性が高い商品を提案することで、F2転換率の向上を実現しました。

■関連商品の開発と提案

  • 贈答用の高級肉を初回購入した顧客に対し、その端材を使用した家庭用コロッケを開発・提案。
  • 初回購入商品と関連性が高く、日常使いしやすい商品を提供することで、再購入のハードルを下げる。

■パーソナライズされた商品提案

  • 顧客の購入履歴や属性に基づき、関連性の高い商品をパーソナライズして提案。

■クロスセル・アップセルの実施

  • 初回購入商品と一緒に購入しやすい関連商品を提案し、購買行動を促進。

施策導入前後の数値変化と学び

F2転換施策の効果を測定・検証する際には、F2転換率だけでなく関連する複数のKPIをあわせてモニタリングすることが重要です。たとえばアパレル業界の事例では、F2転換率が27%→45%に改善しただけでなく、メールの開封率やクリック率、CVRなど、顧客の反応指標全体が好転しました。さらにLTVも1.2倍に向上しF2改善が収益構造の強化に直結したことが分かります。

このような分析を行う際は、導入前後での“数値の変化幅”と“施策ごとの因果関係”を明確にすることが学びを最大化するポイントです。たとえばメール配信タイミングの微調整や、商品レコメンドの内容変更によって反応率がどう変わったかを比較することで、次回施策の精度が上がります。

また、失敗施策からも「配信が遅すぎた」「特典に魅力がなかった」といった教訓を得ることができ、PDCAの質を高める材料となります。数字を見るだけで終わらせず“なぜ変化したのか”を深掘りする姿勢が、継続的な改善を支える重要なマインドセットです。

F2転換と他指標との関係性

F2転換率は「ただのリピート指標の一つ」ではありません。リピート率やF3転換率、継続率、LTVなど全体のマーケティング指標設計の中で“起点”に位置する構造的なKPIです。

ここからはF2転換と他指標の関係性を整理し、KPIをどう組み合わせ、どうモニタリングすべきかを解説します。

F2転換率とリピート率の違いを整理する

F2転換率は「初回から2回目」への移行率、一方でリピート率は「一定期間内に2回以上購入した割合」を意味します。

リピート率はF3・F4・F5…も含む累積値であるため、全体の“定着度”を把握するには有効ですが施策単位での効果検証には向いていません。

一方でF2転換率は、「メール施策を打った結果、7日以内に2回目購入が発生したか?」というように、即時的・局所的な改善インパクトを測るのに最適です。

つまり、

  • リピート率=体温計(健康状態の総体)
  • F2転換率=心電図(直近の変化に敏感)

として位置づけるとそれぞれの使いどころが明確になります。

F3転換率や継続率との比較

F2が“リピートの起点”であるのに対し、F3転換率(2回目→3回目)や継続率(定期購入維持率など)は“ファン化の兆候”を捉える指標です。

F3以降の行動は初期施策の影響というよりも、商品満足度・ブランド信頼・カスタマー体験の良し悪しに依存する傾向があります。

つまり、F2は外的な施策(メール、クーポン、導線設計など)で動かせるのに対し、F3や継続率は内的な体験価値の結果として現れるという違いがあります。

このためF2での離脱が多い場合はマーケティング課題、F3以降の失速が大きい場合は商品・サービス品質の見直しが必要です。

各フェーズ別の改善施策の優先順位

KPIの多さに悩む担当者にとって重要なのは「どこから改善すべきか」の優先順位設計です。「最初の壁」を超えなければその後の施策は無意味になるため、CVRやLTVを本質的に改善するには、まずF2への投資が最も費用対効果が高いポイントとなります。

フェーズ指標優先施策
F1 → F2F2転換率メール設計・導線改善・インセンティブ設計
F2 → F3F3転換率商品体験満足・レビュー活用・ブランドストーリー
継続継続率/リピート率定期プラン設計・クロスセル・アフターサポート

LTV最大化に向けた全体設計の中でのF2の位置づけ

LTVを「単価 × 購入頻度 × 継続期間」で捉えた場合、F2は“頻度と継続の入口”を担います。F2を突破しなければ、頻度は1回、継続期間は0で終了してしまうからです。

さらに、F2が改善されることでF3転換や定期移行率のベースラインが押し上がるという“波及的な効果”もあります。F2→F3の距離は短くなり、継続率も自然に上昇しやすくなるため、LTVが指数的に伸びる構造が生まれます。

このようにF2転換率は単独の指標ではなく他KPIの前提条件であり、成果全体を左右するレバレッジポイントと位置づけられるべきです。

F2転換の成果を社内に伝えるための資料設計

F2転換は数字で効果が出やすい施策である一方、施策の重要性や成果の意義を社内で正しく伝える難しさを感じているマーケティング担当者も少なくありません。特に経営層や他部門の理解を得るには、「何を・誰に・どう伝えるか」を意識した資料設計が求められます。

ここからは実際に実務を担当される方向けに、成果報告資料の構成と社内提案での説得ポイントを具体的にご紹介します。

改善施策の効果を伝えるグラフと数値例

まず、F2施策の成果は「数値の変化」と「構造的なインパクト」の両面から可視化することが大切です。以下のような項目を盛り込むことで施策の意義を直感的に伝えることが可能になります。

■グラフ例

  • F2転換率の推移グラフ(月次 or 週次)
  • 施策導入前後でのF2率・CVR・LTV・CPA比較(棒グラフ)
  • 顧客ステージ別KPIマップ(F1→F2→F3)

■数値例(値は仮の数字)

指標BeforeAfter変化率
F2転換率27.0%45.0%+18.0pt
メール開封率12.1%29.1%+17.0pt
LTV12,600円15,100円+19.8%

社内提案用テンプレートと説得のポイント

F2転換施策の成果を最大限に活かすためには、社内の理解と協力を得るためのプレゼン設計が欠かせません。特にマーケティング以外の部署や意思決定権を持つ経営層にとっては、「施策の背景や狙いが明確か」「数字の根拠が示されているか」「今後の事業貢献性が感じられるか」が評価軸になります。

そこでここでは実際の社内提案やレポーティングで使える基本構成5ステップをテンプレートとして提示し、それぞれの押さえるべきポイントとともにご紹介します。

この構成に沿って提案を行うことで、論理性と納得感を両立した資料設計が可能になるでしょう。

ステップセクション名内容の要点
背景と課題の提示新規ユーザー獲得は順調だが、LTVが伸び悩んでいる/リピート率が低下している現状をデータで提示
F2転換の課題構造と重要性リピートに至らない大きな壁がF2に集中していることを示す(F1→F2の離脱率が高い)
施策内容と導入フローの概要実施した内容(メール施策、LINE連携、導線改善など)と実行プロセスを簡潔にまとめる
成果とインパクトの定量化F2転換率、CVR、LTV、CPA回収効率など、改善後の数値と施策前との比較を提示
今後の展望と再現性の説明他商材や他チャネルへの横展開プラン、改善余地、想定ROIなど

まとめ

F2転換とは初回購入から2回目購入への移行を促すマーケティング上の重要指標であり、LTV向上・CPA回収・リピート率改善など、すべての成長指標の土台となる要素です。

本記事では、F2の定義や計算式から業界別施策、成功事例、社内提案の方法まで網羅的に解説してきました。重要なのは施策の“粒度”と“タイミング”を適切に設計し、自社の顧客と商材特性に合った導線を構築することです。まずはF2転換率を正確に計測し、自社の改善余地を明らかにするところから始めてみましょう。F2の突破が売上の壁を超える第一歩になります。

とはいえ、自社のリソースだけで正しくF2転換をはじめとして自社のデータの可視化や、分析を行うのはとても負荷のかかる業務であり、場合によってはバイアスがかかる可能性があります。

ストラではお客様のデータの可視化はもちろん、データ分析基盤構築やデータ分析まで一貫してご支援することが可能です。自社でのデータ分析・活用にお困りごとがございましたら、お問合せフォームよりお気軽にご相談ください。

また、ストラのBtoBマーケティング戦略策定支援やデータ分析支援について、さらに詳しく知りたい方はこちらのサービスページで紹介しています。

マーケティングについてのお困りごとはプロにご相談ください

  • 顧客のリピート率が低い
  • 新規顧客数は多いはずなのに、売上が伸びない
  • 自社に合った指標が分からない
このようなお困りごとがありましたら、ぜひとも私たちStrhにご相談ください。マーケティングやCRM・MA・CDP等のマーケティングテクノロジーに精通したコンサルタントが、御社に最適なソリューションをご提案させていただきます。まずはお気軽にお問合せください。 F2転換についてまずは相談する

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloudアドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagementスペシャリスト
Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagement コンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント
Salesforce認定Data Cloudコンサルタント

この記事をシェアする

x facebook
To Top