LTV(ライフタイムバリュー)とは?顧客生涯価値の意味から向上施策まで解説

この記事をシェアする

         x facebook
LTV(ライフタイムバリュー)とは?顧客生涯価値の意味から向上施策まで解説

この記事でわかること

  • LTV(顧客生涯価値)とは?LTVが重要な理由
  • LTVの計算方法
  • LTVの改善アプローチ
  • LTV向上に向けた他社の事例

執筆者 杉山元紀

LTV(Life Time Value:ライフタイムバリュー)とは?重要な指標だとは思いつつもいまいち理解しきれていないという方も多いと思います。

サブスクリプションやSaaSビジネスにおける重要指標であるLTVの定義の解説からLTVの数字をつくる要素は何なのか、そしてその仕組みを解説しつつ、LTVを向上させるための施策をわかりやすく解説します。

1.LTV(顧客生涯価値)とは

./media/LTV(ライフタイムバリュー)とは?顧客生涯価値の意味から向上施策まで解説/ltv_basic_image_2.png

LTVとはLife Time Value(ライフタイムバリュー)のことを指し、日本語では「顧客生涯価値」を意味します。顧客が企業にとってどれだけの価値を生み出すかを測定する指標であり、顧客が企業と長期的に取引することによって、企業が顧客から得られる収益の総額を示します。

LTVは、継続して購入されることを前提にしているため、とくに継続課金のサブスクリプション(サブスク)モデルや、SaaSモデルで重要視されています。

2.LTVが重要な理由

./media/LTV(ライフタイムバリュー)とは?顧客生涯価値の意味から向上施策まで解説/ltv_basic_image_3.png

顧客がサービスを利用している期間内(顧客ライフサイクル)に、どれだけの利益をもたらしてくれるかを示す指標であり、長期間継続して購入・利用する顧客ほどLTVが高いことになります。

つまりLTVの向上は、売上に対して長期的なメリットをあたえるため、マーケティングでは大切な指標のひとつと考えられています。

また、LTVは、顧客が企業にとってどれだけの価値を生み出すかを正確に把握することができるため、企業は顧客が自社に与える影響を評価し、適切な戦略を策定することができるのです。

マーケティング活動や顧客ロイヤルティの向上に直結するため、企業が長期的に収益を上げるためには必要不可欠な要素と言えます。

3.LTVの計算方法と要素

./media/LTV(ライフタイムバリュー)とは?顧客生涯価値の意味から向上施策まで解説/ltv_basic_image_4.png

LTVの計算方法はいくつかありますが、幅広いビジネスモデルで基本としてよく使われているのは以下の通りです。

LTV = 平均購入単価 ×平均購入回数 × 平均継続期間

平均購入単価× 購入頻度 ×平均継続期間

平均購入単価×平均契約期間(継続期間)

これらの計算式はあくまでも一例です。対象になる商材で異なりますので、ご自身のビジネスモデルにフィットした計算式を適用してみてください。

①平均購入単価

ARPU(Average Revenue Per User)と呼ばれ、ある期間中の総収益を、その期間中に購入した顧客数で割ったものです。

例:1ヶ月間に100万円の売上があり、100人の顧客が購入した場合、平均単価は1万円となります。

②平均購入回数

ある期間中に顧客が商品やサービスを購入した回数を示す指標です。一般的には、顧客が同じ商品やサービスを何度も購入するビジネスモデルで重要な指標となります。

例:1ヶ月間に1,000人の顧客が2回購入した場合、購入回数は2となります。

また、顧客の購買行動を分析する際に、RFM(Recency Frequency Monetary)と呼ばれる分析フレームもあります。RFMを分析することで、顧客の購買行動を多角的に分析し、顧客の今後の行動を予測しやすくなります。

③平均継続期間

顧客が企業の商品やサービスを利用する期間の平均値です。

例:ある顧客が1年間に3回商品を購入し、翌年にも2回購入した場合、その顧客の平均継続期間は1.5年となります。

これらの要素を用いて、LTVを計算することができます。

例えば、平均購入単価が1万円、平均購入回数が3回、平均継続期間が2年の場合、その顧客のLTVは以下のようになります。

LTV = 1万円 × 3回 × 2年 = 6万円

以上のように、LTVは企業が持つ顧客データをもとに簡易的に計算することができます。ただし、先ほども述べたように、LTVの算出方法は様々あり、プロダクト・サービスに合わせたLTVを算出するためには、より詳細な顧客データを分析する必要もあるため、適切な分析ツールや専門知識が必要となります。

詳細な顧客データとは取引履歴や購入履歴だけではなく、アクティブ度、リピート率、解約、口コミなどの分析などが挙げられます。

4.LTVの改善方法とアプローチ

LTVは先ほど紹介した通り平均購入単価 × 平均購入回数 × 平均継続期間で簡易的に算出することができます。3つの要素が掛け合わされているので、それぞれの要素を向上させることでLTVの数値を改善できると言えます。

製品やサービスの単価を上げる

  • アップセルクロスセルを駆使してアプローチする
  • 複数のバリエーションを用いて価値を提供する

購入頻度を増やす

  • 商品が再度必要になるタイミングにアプローチをする
  • メルマガなど顧客と接触する機会を定期的につくる

購入期間を伸ばす

  • 既存顧客に対するサポート体制を強化する
  • 長期継続顧客に向けた特典(会員ランクやプレゼント、コミュニティなど)の提供
  • 顧客の声を活かしたサービスを提供する

また、これらの要素改善以外にも下記のようなアプローチが挙げられます。

顧客獲得コストの低減

LTVを向上させるためには、顧客獲得コストを抑えることが重要です。例えばECなどでは、新規顧客の獲得にかかる広告費を削減することです。

顧客獲得コストを低減することで、同じ予算でより多くの顧客を獲得することができ、ビジネスのコストを削減することができます。例えば、ある企業が1人の新規顧客を獲得するために、広告費やマーケティング費用などを含めて100,000円かかるとします。この場合、その顧客が1回の購入で100,000円以下の商品しか購入しない場合、その顧客のLTVは100,000円以下となります。つまり、顧客獲得コストと同等の金額しか収益を得られないことになります。

一方、顧客獲得コストを低減することで、新規顧客を獲得するために必要な費用を削減することができます。この場合、獲得した顧客のLTVが高ければ、同じ顧客獲得コストでより多くの収益を得ることができます。

また、その予算内で適切なサポートを提供することにもあてることができ、顧客満足度を高めることで結果既存顧客の継続率も高めることに繋がり、ビジネスの利益率を向上させることもできます。

最近では様々な企業が広告費を削減し、より低いコストで顧客を獲得するために、SNS運用やオウンドメディアに取組んでいます。

顧客ロイヤルティの醸成

顧客ロイヤルティ(Loyalty)とは直訳すれば「忠誠心」という意味です。そのため、顧客ロイヤルティとは、顧客が企業やブランド・商品に対して愛着や信頼を感じているといった状態を指します。このようにファンになってくれているような顧客を「ロイヤルカスタマー」といい、企業にとっては重要な顧客です。

ロイヤルティを上げるためには顧客に特別感を与えたり、顧客体験の向上がポイントになってきます。また、顧客の声を聴くことで、顧客が抱える問題や要望を把握することができ、そこから改善点を反映することで顧客の満足度を向上させることができます。

また、ロイヤルティプログラムやリピート特典などを導入することで、顧客のリピート率を向上させ、LTVを向上させることができます。

クロスセル・アップセルの増加

./media/LTV(ライフタイムバリュー)とは?顧客生涯価値の意味から向上施策まで解説/ltv_basic_image_5.png

クロスセル・アップセルとは、商品やサービスを販売する際に、同時に別の商品やサービスを提案することを指します。販売単価を上げることができるため、ビジネスにとって非常に重要な施策の一つです。

クロスセル:関連性のある商品を販売すること

具体例:スマートフォンを販売する場合に、スマートフォンの保護フィルムやケースを一緒に販売する

アップセル:同じ商品でもより高額なものを販売すること

具体例:スマートフォンを販売する場合に、スペックの高いモデルを販売する

これらの要素を改善することによって、利益率を上げ、顧客獲得・維持コストを抑えることにも繋がります。

また、これらの施策を活用するために顧客データを活用することが重要と言えます。

CRMシステムやDMP、CDPなどを利用することで、より効果的な販売施策を行うことができます。例えば、購入履歴から購入傾向を把握し、カスタマイズされた商品やサービスを提案することが可能になります。

顧客との関係をより密にすることが、LTVを最大化するために有効と言えます。

これらのアプローチを組み合わせることで、より効果的なLTVの最大化が実現できます。また、CAC(Customer Acquisition Cost)=顧客獲得コストとのバランスも重要です。LTVが高くなることは重要ですが、同時に、CACを抑えることも必要です。

これらの手法を活用して、プロダクトやサービスを継続利用してもらい、LTVを最大化させることが、カスタマーサクセスの役割の一つと言えます。

5.LTVを最大化するための他社事例

ここまでLTVの定義から改善手法までご紹介させていただきましたが、この章では他社がLTVの向上に向けてどのような施策に取り組んできたのか、具体的にご紹介します。

Amazon社の事例

Amazonプライム会員向け(有料会員)のサービスを充実させることで、会員のリピート率を高めています。また、顧客の購入履歴を元に、おすすめ商品を提案する機能を導入し、購入単価を上げられる仕組みを作りました。

配送に関してはFBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)という独自配送サービスを提供することで24時間365日いつでもスピーディーに対応が可能になり、顧客満足度が一気に向上しました。

更にプライム会員はECサービスの他にも下記のようなサービスも提供しています。

  • PRIME VIDEO:映画やTV番組が見放題
  • PRIME MUSIC:100万曲以上の音楽を聴き放題
  • PRIME ORIGINAL:Amazonが配信するオリジナル番組を見ることができる
  • Amazonパントリー:食品・日用品など毎日使うものを必要な分だけ1箱にまとめて購入できる
  • Prime Reading:本・マンガ・雑誌。Amazonだけの限定タイトルも含め見放題
  • Amazon Mastercard:ポイント還元率が高くなる
  • Amazon Photos:無制限のフォトストレージを利用できる

このようにECだけに留まらず、様々なプライム会員サービスを充実させEC利害のサービス利用も含めて顧客満足度を向上させることで、プライム会員の継続につなげLTVを上げることに成功しています。

Netflix社の事例

オリジナルコンテンツの制作・配信に注力することで、ユーザーのロイヤリティを高めています。また、顧客ニーズに合わせた提案のためにプランを複数用意することで、継続率が向上しているようです。

また、Netflixは短期間で頻繁にアプリリリースを重ねています。定期的にアップデートを続けることでユーザビリティを追求しつつ、関心を得られるようなコンテンツを提供することによってユーザーが離脱してしまわぬように改善を続けています。

これらの例からも、顧客ニーズに合わせたサービスの提供や、顧客データの活用がLTV向上にとって重要であることがわかります。また、顧客満足度を向上させることも、LTV向上につながる大切な要素であると言えます。

6.まとめ

LTVはビジネスにとって非常に重要な指標であり、顧客との長期的な関係性を築くために欠かせないものです。今回はLTVの基本と算出方法の一例を紹介しました。一方、LTVの算出方法は企業に応じて異なってきます。ポイントは「何を基にLTV向上を目指すのか」という方針を明確にし、適した計算方法で算出することです。

また、LTVは短期間で具体的な成果を見出すというよりも、長期的な計画のもと向上を目指していくものです。いきなりLTVを上げようとするのではなく、まずは、自社商品の強みと弱みを明確にし、それに応じて地道にLTVの向上を目指しましょう。

LTVの高さは顧客との関係性が良好であることを表します。そして会社が長く安定した利益を得るために、ストラではLTV向上にむけた要素分析から施策設計までご支援させていただきます。成果を出していけるようサポートいたしますので、お気軽にお問合せフォームよりご相談ください。

執筆者 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント

この記事をシェアする

x facebook