モバイルマーケティングに欠かせない ”モバイル計測パートナー”とは何か

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モバイルマーケティングに欠かせない ”モバイル計測パートナー”とは何か

”モバイル計測パートナー”と聞いても、それがどのようなものかをすぐに想像できる人はまだまだ少ないのではないでしょうか。しかし、私たちがスマートフォンなどのモバイルデバイスで毎日使用しているアプリのほとんどにモバイル計測パートナーが導入されており、モバイル計測パートナーによって収集されたデータは、アプリ事業者のマーケターが広告効果の測定やユーザーの分析に活用しています。ほぼ1人に1台モバイルデバイスが所有されている現代において、モバイル計測パートナーは具体的にどのような役割を担っているのでしょうか。

本記事ではモバイル計測パートナーと、モバイル計測パートナーが支えるモバイルマーケティング全般についてご紹介いたします。これからモバイルマーケティングに注力したいと考えられている担当者様、よりモバイルマーケティングを促進していきたい担当者様は是非最後までお読みください。

1.モバイル計測パートナーとは何か

モバイル計測パートナーとは、広告キャンペーンの成果やモバイルアプリのパフォーマンス、そしてユーザーエンゲージメントを計測・分析し、その内容をレポートなどを通して提供するサービスのことであり、主にアプリのマーケティング担当者と開発者に利用されています。モバイル計測パートナーはMMPと表記されることもありますが、これはMobile Measurement Patnerの略となります。

モバイル計測パートナーは、アプリ内行動を計測・分析するツールとは区別されており、ユーザーがアプリに流入したきっかけとなるキャンペーンとインストール、そしてその後のアプリ内行動を紐付けて計測できるため、マーケティング施策の効果測定や各施策の評価に活用できるのが大きな特徴です。

通常アプリは、AppStoreやGoogle Play Storeなどのアプリストアからダウンロードすることができますが、アプリストアが開示しているのは日別のアプリダウンロード数などの情報だけで、どの広告キャンペーンからユーザーがストアに到達してダウンロードしたかというデータまでは計測されていません。

ただし、アプリの事業者にとっては、どの広告から流入したユーザーがどれくらいいるのかが分かれば、クリエイティブの最適化や、継続する価値のある施策の選定、そして広告費用のアロケーションなどに活用でき、結果的に質の高いユーザーの獲得が期待できるようになります。そのため、これらを実現することができるモバイル計測パートナーは非常に重要な役割を担っています。

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また、多くのモバイル計測パートナーは、モバイル広告の不正(アドフラウド)防止機能を提供しています。アドフラウドは、無効なインプレッションやクリックを水増しすることで、不正に広告費を詐取することを目的としているため、対策を行わなければ大切な広告予算を無駄にしてしまう可能性があります。このような観点からも、モバイル計測パートナーをアプリに導入するメリットは大いにあると言えるでしょう。

2.計測の仕組み

モバイル計測パートナーを説明する上で欠かせないのが、アトリビューションという概念です。アトリビューション(attribution)は日本語では「帰因」や「帰属」などの意味があり、広告・マーケティング業界で広く使われている言葉です。モバイル測定パートナーの文脈におけるアトリビューションとは、アプリのインストールまたはモバイルアプリ内でのユーザーアクション(コンバージョン)に影響を与えた広告の貢献度合いを、広告ごとに特定することを意味しています。一言でまとめると、アトリビューションは広告の効果を数値化すること、とも言えます。

モバイル計測パートナーは、広告主(アプリ事業者)と広告媒体(アドネットワーク)の間に立つ存在のため、アトリビューションを中立的な立場で行い、広告主に対してもバイアスのかかっていないデータを提供します。

また、モバイル計測パートナーは基本的に、ラストタッチアトリビューションモデルを採用しています。ラストタッチアトリビューションモデルとは、インストールの直前に接触した広告を評価するモデルです。アプリ事業者がマーケティング施策として多くのチャネルを利用している場合、ユーザーはアプリをインストールするまでに、同じアプリにおける様々なチャネルに接触することが想定されます。例えば、ユーザーがSNS・オウンドメディア・モバイル広告に接触した後にアプリをインストールすれば、モバイル広告が最もインストールに貢献したチャネルと特定されます。

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3.モバイルマーケティングが注目されている理由

そもそも、モバイルマーケティングとは何か?

モバイルアプリマーケティングとは、スマートフォンなどのモバイルデバイスを所有するユーザー向けに、新規ユーザーの獲得、既存ユーザーの維持、アプリの認知拡大、ユーザーエンゲージメント最大化などを目的として行われるプロモーション戦略と手法を指します。今後も市場規模の拡大が見込まれるモバイルマーケティングは、なぜ注目を集めているのでしょうか。

注目されている理由

「スマホの普及が大きな鍵」

スマートフォンやその他のモバイルデバイスの普及により、モバイルユーザーの数が大幅に増加しました。2022年に総務省が行った調査によると、スマートフォンの保有状況は、世帯での保有割合は90.1%、個人の保有割合は77.3%となっており、さらに、2021年には88.6%がスマートフォンでインターネットを利用していて、この推移は年々着実に伸びているのに対し、パソコンの利用率は69.8%にとどまり、年々減少傾向にあります。このように、昨今ではスマートフォンなどのモバイルデバイスは人々の生活に不可欠な要素となっており、各企業が個人レベルでターゲットユーザーにリーチできる十分な機会が創出されていると言えるでしょう。

参照:総務省令和4年通信利用動向調査の結果

参照:総務省令和4年 情報通信に関する現状報告の概要 第2部 情報通信分野の現状と課題

Webマーケティングとの違いは何か

Webマーケティングとは、WebサイトやWebサービスにより多くの消費者を集客し、サービスのブランディングやWebサイト上で提供される商品の購入を促進するための行動を指します。ユーザーはアプリをダウンロードしたり購入したりする必要はなく、必要なのはブラウザのみとなります。

ブラウザとは、スマートフォンやパソコンなどでWebサイトを閲覧するためのソフトウェアで、Webブラウザとも呼ばれます。ブラウザにはいくつか種類があり、「Google Chrome」や「Safari」「Microsoft Edge」などが主要なブラウザとして知られています。ブラウザの検索窓にキーワードを入力して検索することで、様々なWebサイトへのアクセスが可能となります。このように、必要な情報をユーザーが能動的に取得しに行くという点から、ブラウザは「プル型メディア」と呼ばれています。

WebサイトやWebサービスは、モバイルアプリと比較すると以下の点が優れていると言えます。

  • 開発工数が少ない。
  • アプリストアのようにリリース時に審査がなく、アップデートも簡単にできる。
  • アプリをデバイスにインストールしてもらうハードルがない。
  • 利用時に各ブラウザの容量のみが使用されるため、デバイスの容量を圧迫しない。

一方で、モバイルアプリは以下の点において優れています。

  • インターネットに接続していない場合も使用できるものが多い(カメラ・電卓・メモアプリなど)
  • 一度インストールすれば表示速度が速く、ホーム画面から簡単にアクセスできるため、高いリピート率が見込まれる。
  • 特定の用途や目的のために設計されているため、操作性が高い。
  • ストアでレビューの投稿や確認が可能。
  • モバイル端末上のアイコンで、ブランドや企業を想起しやすい。
  • プッシュ通知によってユーザーにリアルタイムに情報を届けることができる。
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上記のように、Webサービスとモバイルアプリでは様々な異なる点がありますが、モバイルアプリの最大の特徴は、一番最後に挙げたように、アプリ事業者が能動的にユーザーにリーチできることにあるのではないでしょうか。Webサービスとは対照的に「プッシュ型メディア」と言われているモバイルアプリでは、新規顧客の獲得だけではなく、既存顧客へのアプローチが可能となることによって、複数回商品を購入してもらえる機会が増え、売り上げの向上へとつながります。そして結果的に、モバイルマーケティングの方がより高い収益を得られやすいマーケティング手法として知られるようになりました。様々なサービスがWebからモバイルアプリにシフトしている理由は明確です。

4.モバイルマーケティングの主要KPI

モバイルマーケティングでは主にどのような指標が見られているのでしょうか。

以下が主要KPIとその説明になります。

  • インストール数:ユーザーがストアからアプリをインストールした件数。一般的には、新規ユーザーの獲得数を確認するための指標となっている。
  • CPI:CPIはCost per Installの略で、アプリのインストール1件あたりの獲得コストを指す。CPIが低いほど、アプリマーケティングの効果が高いと言える。
  • アプリ内イベント数:インストール後にユーザーによってアプリ内で起こされたアクション数。アプリの特性に応じて設定されるもので、Eコマースアプリであれば「カートに商品を追加」、ゲームアプリであれば「レベルアップ」などが用いられる。
  • アンインストール数:一度アプリをインストールしていたが、その後アプリをアンインストールしたユーザーの数。アンインストール数だけでなく、アンインストールに至った理由を同時に分析することが重要。
  • 課金率:アプリをインストールしたユーザーのうち、アプリ内課金を行ったユーザーの割合。課金ユーザー数をインストール数で割ることで算出。
  • DAU/MAU:DAUは日毎、MAUは月毎のアクティブユーザー数を指す。
  • リテンション率:アプリをインストールしたユーザーが、どれだけ継続してアプリを利用しているかを表す指標。インストール翌日、7日目、30日目の継続率がよく使われています。
  • ARPU:ユーザー1人あたりの平均収益。
  • ARPPU:課金ユーザー1人あたりの平均収益額。ARPUには、非課金ユーザーも含まれるが、ARPPUは課金ユーザーに絞った指標。
  • ARPDAU:デイリーアクティブユーザー1人あたりの平均収益額。
  • ROAS:広告費用対効果を表す指標。かけた広告費に対して広告経由でどれくらい売上に結びついたのかを割合で表したもの。
  • ROI:投資収益率を表す指標。かけた広告費用に対してどれくらいの利益があったのかを割合で表したもの。
  • LTV:インストールしたユーザーが、アプリに対してどれくらいの収益をもたらしたかを表したもの。LTVを正しく把握することで、CPIの許容単価を算出することが可能となる。
    参照:LTV(ライフタイムバリュー)とは?顧客生涯価値の意味から向上施策まで解説

5.主なモバイル計測パートナーの紹介

中立な立場でアトリビューションを行い、4で挙げたKPIの計測に対応している計測パートナーは複数存在しますが、主要なモバイル計測パートナーは以下の通りです。

6.まとめ

ここまでご説明したとおり、モバイルマーケティングは、モバイルデバイスの普及による影響や、Webサービスではできなかったことが解決できるというメリットから、これからも拡大していくことが期待されます。モバイル計測パートナーを導入・活用することで、適切にユーザーにアプローチし、効果的なマーケティング活動を継続していきましょう。

まずは、是非本記事で紹介した内容を参考に、モバイル計測パートナーの導入、促進を進めていただければ幸いです。

モバイル計測パートナーの導入や活用においてお困りごとがありましたら、お問い合せフォームより、お気軽にご相談ください。

執筆者 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント

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