【後編】マーケティングクラウドのSAPとは?Salesforce Marketing Cloudの設定方法を含めてプロが徹底解説

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【後編】マーケティングクラウドのSAPとは?Salesforce Marketing Cloudの設定方法を含めてプロが徹底解説

この記事でわかること

  • Marketing CloudのSAPの設定方法
  • Marketing Cloud SAPフォームの具体的な入力内容
  • Marketing Cloud SAPのよくある質問と回答

執筆者 杉山元紀

前回に引き続きSalesforce社が提供するSalesforce Marketing Cloud(マーケティングクラウド)の送信者認証パッケージ、Sender Authentication Package(以下、SAP)について、具体的な設定方法やよくあるご質問を解説いたします。

SAPの概要や機能について詳しく知りたい方は前編の記事を是非ご覧ください。

参考:マーケティングクラウドとは?Salesforce Marketing Cloudの機能や価格体系、導入時のポイントなどを徹底解説

1. Salesforce Marketing Cloud SAP(送信者認証パッケージ)の設定方法

SAPを構成するために必要な手順を説明します。

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1.ドメイン構成の検討と決定

SAPの構成について3つのオプションからどの構成を選択するかを決定します。各構成の説明はこちらの記事をご覧ください。

①Salesforceがお客様に代わって新しいドメインを購入し、そのドメインでSAPを構成する。

②自社の既存ドメインまたはサブドメインをMarketing Cloudに再利用し、Salesforceがこのドメインを認証する

③既存ドメインまたはサブドメインを使用してDNSをセルフホストする

今回は②のオプションを選択して後続処理について説明します。

2.ドメインまたはサブドメインの決定

SAPドメイン、またはサブドメインを決めます。最もよく利用されるのは「サブドメイン委任」です。

また、サブドメイン委任での SAP ドメイン (例: <SUB>.strh.co.jp) を決定する場合、<SUB> に は”ma”, “mc”, “smc” といった配信側の視点で命名するよりも、”message”, “contact”, “info”, “mail” などのエンドカスタマー視点で分かりやすい命名が望ましいです。

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3.DNSレコードにNSエントリを設定

サブドメインを委任する場合、自社で利用しているドメイン登録サービスからサブドメイン (例:mail.strh.co.jp) のDNSレコードに4つのNSエントリを設定します。この作業は必要に応じて担当部門と協力して進める必要があるので注意しましょう。

DNSレコードに設定するNSエントリは以下の4つになります。

ns1.exacttarget.com

ns2.exacttarget.com

ns3.exacttarget.com

ns4.exacttarget.com

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4.SAPフォームから必要な情報を提出

Marketing Cloudの基本パッケージと合わせてSAPを購入した場合は、ライセンスの契約開始日にSalesforceから「Sender Authentication Package for Your Salesforce Marketing Cloud Account」という件名のSAPフォームが記載されたメールが届くので確認してください。

メールが届かない場合は営業担当に問い合わせるかケースを起票しましょう。

./media/【後編】マーケティングクラウドのSAPとは?Salesforce Marketing Cloudの設定方法を含めてプロが徹底解説/marketingcloud_sap2_image_5.jpg


SAPフォームが記載されたメール

そして、メール内のリンクからSAPフォームに遷移します。フォームの入力内容については次章で解説します。

5.SalesforceからのSAPドメインの構成完了のケースを確認

フォーム送信すると、SAPの構成が完了するまで通常5営業日かかります。SalesforceによってSAPが構成された後、ケースを介して確認を受け取ることができます。

構成が完了するとMarketing Cloud組織で次の設定を行えるようになります。

・複数の差出人アドレス

・送信者プロファイルの作成

・送信分類の作成

上記の手順が完了すると、SAPが構成され、Marketing Cloudから認証済みのメールを顧客に対して送信する準備が整います。

2.Salesforce Marketing Cloud SAPフォームの入力内容

前章で触れたSAPフォームの具体的な入力内容について見ていきましょう。

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SAP設定を担当する方の情報を入力します。SalesorceのSAP設定チームが、設定のプロセスで問題や質問があればここに記入した連絡先に連絡があります。

項目 説明
氏名 担当者の氏名を入力します。
企業名 会社名を入力します。
メールアドレス 勤務先、メールアドレスを入力します。

■アカウント情報

項目 説明
アカウントID SAPを適用するMarketing Cloudビジネスユニットに関連付けられたIDであり、MIDIとも呼ばれます。Marketing Cloudにログインし、画面右上のビジネスユニット名をクリックするとID/MIDが確認できます。
今回メール返信管理(RMM)を利用しますか? RMMを有効にする場合は「はい」を選択します。
返信メールの転送先となる有効メールアドレスまたは受信ボックス 返信されたメールの転送先となるメールアドレスを入力します。

■プライベートドメイン情報と構成

項目 説明
送信者認証プライベートドメイン 前章の2で決定した認証済みの送信とSAPでのブランディングに利用するドメインまたはサブドメインを入力します。(例:mail.strh.co.jp)このドメインはMarketing Cloudのメール送信以外には使用しないことが強く推奨されています。
送信者用を適用するアカウント ①送信者認証をこのアカウントのみに割り当てこのフォームに記載されているアカウントIDにのみSAPを割り当てすること②送信者認証をこのアカウントとサブアカウントのみに割り当て

このフォームに記載されているアカウントID配下のすべてのMID/IDにのみSAPを割り当てること

③送信者認証をこのアカウントとサブアカウントに割り当て

このフォームに記載されているアカウントID配下のすべてのアカウントIDにSAPを割り当てること

必要な DNS エントリーをセルフホストしますか? 「いいえ」:ドメインまたはサブドメインをSalesforceに委任する。委任する場合は4つのNSエントリをDNSに設定する必要があります。「はい」:Salesforce社から提供されるテキストゾーンファイルをもとに、自社でMarketing Cloudが機能するためのすべてのDNS設定を行います。

DNSが正しく設定されているかはSalesforce社のサポート外のため、「はい」は推奨されていません。

専用IPか共有IPについての項目 ①新しく専用IPを割り当てます。1ヵ月あたり25万件以上のメールを送信します。②SFMC共有IPスペースを使用します。1ヵ月あたり25万件未満のメールを送信します。③既存の専用IPを割り当てます。以下のコメントセクションに要求された専用IPをリストしてください。自社の想定配信量をもとにどのIPを利用するのかを決定してください。

ここまでの内容を入力し、フォームを送信します。その後ケースが作成され、ケースを介して設定完了の連絡があります。

3.Salesforce Marketing Cloud SAPについてのよくある質問

Q:SAPを利用しないとどうなりますか?

A:受信トレイに正常に届かない可能性が高まります

SAPを利用しないと、Marketing Cloudから送信するメールがISP自体から拒否される(ハードバウンス)か、メールが必要な認証を受けていないためスパムとなる可能性が非常に高くなります。

Q:SAPを購入すべきユーザーは?

A:1ヵ月に10〜25万件以上のメッセージを送信し、exacttargetドメインがリンクや画像に表示されないようにしたい企業・ブランドに適しています。

Q:1つのアカウントに複数のSAPを設定することはできるか?

A:できません。

1つのMarketing Cloud MIDでサポートできるのは1つのSAPのみです。ただし、1つのアカウントにはプライベートドメインを必要なだけ設定できます。

4. まとめ

2回に分けてSalesforce Marketing CloudのSAP(送信者認証パッケージ)についてご紹介しました。

SAPは企業やブランドの存在感を高め、企業・ブランド名から送信されるメールに対する顧客の信頼を高めるために必要なツールであり、Marketing Cloudを利用するにあたってSAPが果たす役割やその重要性について理解いただけたと思います。

一方で、構成検討や実装にはドメインやDNS周辺の知識も求められるので、マーケティング部門とシステム部門の連携やパートナーの協力を得ながら推進してくことも重要になります。

Strh(ストラ)では、SAPのセットアップも含めたSalesforce Marketing Cloudの設計や導入はもちろん、顧客分析などによる運用改善等、実績を持ったコンサルタントが一貫してご支援いたします。

Salesforce Marketing Cloudの導入や活用においてお困りごとがありましたら、お問合せフォームより、お気軽にご相談ください。

執筆者 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント

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