【前編】マーケティングクラウドのSAPとは?Salesforce Marketing Cloudの設定方法を含めてプロが徹底解説

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【前編】マーケティングクラウドのSAPとは?Salesforce Marketing Cloudの設定方法を含めてプロが徹底解説

この記事でわかること

  • Marketing CloudのSAPとは?
  • Marketing Cloud SAPの各機能
  • Marketing Cloud SAPを使用した時のメール表示例
  • Marketing Cloud SAP 3つの構成

執筆者 杉山元紀

こんにちは。今回はSalesforce社が提供するSalesforce Marketing Cloud(マーケティングクラウド)の送信者認証パッケージであるSender Authentication Package(以下、SAP)について、前編と後編に分けてわかりやすく解説します。

SAPはアカウントブランド設定ツールで、自社のブランドを正しく顧客に伝えるために必要な複数機能からなるパッケージです。

Salesforce社からSalesforce Marketing Cloudのパッケージとは別でSAPを追加購入する必要があります。またSAPを購入後、Salesforce社に必要情報を申請するための準備や、設定が理解しづらい部分もあるので、Salesforce Marketing Cloudの導入を検討している方やSAPの追加購入を検討されている方は是非ご一読ください。

参考:マーケティングクラウドとは?Salesforce Marketing Cloudの機能や価格体系、導入時のポイントなどを徹底解説

1. Salesforce Marketing CloudのSAP(送信者認証パッケージ)とは?

SAPはメールを意図した受信者の受信ボックスに企業・ブランドのメールとして正しく届けるための、複数の機能群からなるパッケージ製品です。パッケージ機能は、常にコンプライアンスに準拠した形でSPF・SenderID・DKIMを使用してメール送信が認証される機能や、送信元の認証済みドメインのブランド設定に合わせてリンクや画像をカスタマイズすることができる機能など様々あります。

具体的には以下の機能をもった製品で構成され、これらの機能は個別で購入することもできます。

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  • 専用IP
  • プライベートドメイン
  • リンク・画像ラッピング(アカウントブランディング)
  • 返信メール管理(RMM)

これらの4つの機能を組み合わせることで、受信者からはメールが企業・ブランドから直接送信されたかのように送られます。その企業・ブランドの評判を最適に管理できるようにする方法で、かつ認証された送信が可能になります。

SAPを購入する際はSalesforce営業担当に相談しましょう。

2.Salesforce Marketing Cloud SAP(送信者認証パッケージ)の機能

ここからは、SAPの各機能を具体的にご紹介します。

1.専用IP

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単一の送信者(ドメイン)のみに割り当てられた専用のIPで、他の送信者(ドメイン)と共有されないIPアドレスです。IPアドレスを独占して利用することができるため、共有IP利用のような他の送信者のメール配信評価に影響されることなくメール配信が可能です。

100,000件/月を超えるメールを送信する予定の企業は専用IPを使用することができ、250,000件/月以上のメール送信を予定している場合は専用IPの使用が推奨されます。

新しく設定した専用IPから一気に大量のメール配信を行うと、ISP(インターネットサービスプロバイダ)からスパムと判断される可能性が高くなってしまいます。少量のメールから徐々に配信数を増加させることでIPアドレスの送信評価を高める(ウォームアップする)必要があるので注意しましょう。

またプライベートドメインにより、SalesforceはSender ID、Sender Policy Framework(SPF)、及びDomain Keys Identify Management(DKIM)レコードを送信ドメインに適用できます。これら認証を受けることで受信者のメールボックスにメールが到達しやすくなります。

Sender Policy Framework(SPF)
DNSベースのメール認証機能であり、送信者は送信時に使用されるIPアドレスのリストを公開できます。

Domain Keys Identify Management(DKIM)
暗号化された署名をメールメッセージに付けて、ドメインの検証とスプーフィングの防止を行います。

2.リンク・画像ラッピング(アカウントブランディング)

リンクや画像をメール送信元と同じドメインから送信/リダイレクトされるように表示できます。

この機能を利用しなかった場合、リンクや画像は「exacttarget.com」と表示されてしまいます。これを見た顧客は、「exacttarget.com」のサイトにリダイレクトされているように見え、顧客のドメインから送信されたメールの受信者を混乱させる可能性があります。

例えば顧客がメール内の「ここをクリック」というリンクにカーソルを合わせると、ボタンのリダイレクト先のサイトが表示されますが、アカウントブランディングが設定されていない場合、「Exacttarget」のアドレスが表示されます。アカウントブランディングを設定すると、企業のドメインのみが表示されるようになります。

この機能はSAPパッケージに付帯しているため、個別に購入する必要はありません。

3.返信メール管理(RMM)

返信メール管理 (RMM) を使用すると、Marketing Cloud は、顧客が送信者プロファイルで使用する「返信先」メールアドレス (メールの送信元として表示されるアドレス) への返信を処理できます。

例えば、顧客からの購読解除リクエストを処理したり、返信されたメールに対して自動応答メールを送信したりすることができます。また、顧客からの自動メッセージや不在メッセージを削除したりと、一定のルールのもとに返信メールに対して様々な処理を自動で行うことができます。

この機能はMarketing CloudのSAPパッケージの一部として提供され、SAPなしでも個別のアイテムとして購入することもできます。

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3. SAPの例

ここではSAPを使用する場合と使用しない場合を比較して違いを見てみましょう。

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SAPなし

①SPF/バウンス:「exacttarget.com」と表示されます

②VAWP(Webページとして表示)ドメイン:view.exacttarget.comと表示されます

③クリックドメイン:click.exacttarget.netと表示されます。

④画像ライブラリドメイン:image.exacttarget.netと表示されます。

⑤RMMドメイン:なし

⑥SAPドメイン:なし

⑦送信IPアドレスホスト:mtaX.exacttarget.comとなります。

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SAPあり

①SPF/バウンス:「bounce.企業・ブランドドメイン.com」で表示されます

DKIMドメイン:em.

②VAWP(Webページとして表示)ドメイン:view.exacttarget.comと表示されます

③クリックドメイン:click.exacttarget.netと表示されます。

④画像ライブラリドメイン:image.exacttarget.netと表示されます。

⑤SAPドメイン:「mail.strh.com」で表示されます

⑥RMMドメイン:「reply.企業・ブランドドメイン.com」で表示されます

⑦送信IPアドレスホスト:mtaX.exacttarget.comとなります。

メールがスパム扱いされないためにはSAPだけでは不十分ですが、ISPは不適切な送信者と適切な送信者を識別できるので、よりメールが受信箱に到達しやすく、ブランドイメージも損なわずに顧客にメールが送信できるようになります。

4.Salesforce Marketing Cloud ドメインと構成オプション

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SAPを利用するための最初のステップはSalesforceからSAPを購入することです。Marketing Cloudの基本パッケージの購入時に合わせて購入するケースが多いですが、追加購入などを行う場合は自社のSalesforce営業担当に相談しましょう。

次のステップはSAPの構成を決定することです。SAPの構成については3つのオプションがあります。

  1. Salesforceがお客様に代わって新しいドメインを購入し、そのドメインでSAPを構成します。そしてこのドメインは、Marketing Cloud専用に使用されます。
  2. 自社の既存ドメインまたはサブドメインをMarketing Cloudに再利用し、Salesforceがこのドメインを認証します。ほとんどの企業は既存ドメインまたはサブドメインを持っているため、実装の負担の少ない構成になり、この方法がSalesforce社からも推奨されています。
  3. 既存ドメインまたはサブドメインを使用してDNSをセルフホストする方法。この方法は自社でDNS設定をすべて行うため、DNSの管理と設定を十分に理解している必要があるため、最も複雑な方法になります。また、設定すべきエントリ含むゾーンファイルなどの情報はSalesforceから提供されますが、DNSが正しく設定されているかはSalesforceのサポート外になります。

特別な要件がある場合を除いて”2”の方法を取ることが推奨されていますが、自社のシステム部またはシステム担当者と相談し最適な構成を決定しましょう。

5. まとめ

今回はSalesforce Marketing CloudのSAP(送信者認証パッケージ)について、その概念や機能、構成オプションをご紹介しました。

メールを意図した受信者の受信ボックスに届けるためにSAPが果たす役割やその重要性を説明しました。

次回は実際のSAPのセットアッププロセスやよくある質問について解説します。

Strh(ストラ)では、SAPのセットアップも含めたSalesforce Marketing Cloudの設計や導入はもちろん、顧客分析やそれらをもとにした運用改善などの支援も、実績を持ったコンサルタントが一貫して支援が可能です。

Salesforce Marketing Cloudの導入や活用においてお困りごとがありましたら、お問合せフォームより、お気軽にご相談ください。

執筆者 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント

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